ENTERMINA IV #entermina

エンタミナ4 集合写真

去る 8/13 (土) に「エンタミナ4」が開催されました。今回が4回目ということで、これまでの登壇者(総勢11名)が一同に会した大イベントだったわけですが、ボクもそのうちの一人として登壇しました。イベントの雰囲気やスタッフの活躍風景については「エンタミナ4|2016.8.13 – NAVER まとめ」にあがっているので、こちらでご覧いただくことができます。

右脳と左脳フルスロットル

今回のセッションは、登壇順がラストということで言葉を並べるプレゼンにはしないことを決めていたので、Apple PenciliPad Pro に絵を描いているところを見てもらおうという試みでした。最近「UX」テーマでのセッションが多いので、エンタミナらしく少し変わったショーにしてみました。

エンタミナ4 坂本のセッション

もともとは、以前に出演した田口さんのインタビュー番組「INTERVIEW A GO GO」でも語っていますが「#sticky50」で「絵を描くこと」の楽しさを実感していた時期に、鷹野さんから「あのイラストを描いているとこが見れたらいいよね」という雑談をしたことがキッカケでした。

ただ描くだけだと面白くもないので、聖徳太子の「豊聡耳」の逸話をもじって、絵を描きながらいろいろな方からの質問に答えてみるという試みにしてみました。セッションの中でもお話した右脳と左脳を同時にフル回転させてみるということにチャレンジしたわけですが…。

結果は右脳の惨敗でした。質問に答えることはできましたが、やはり手が止まってしまうという結果になりました。一番の誤算は、緊張で手が震えてしまい思った通りに線が書けないという状況に…会社の同僚たちも来ていたのに情けない (TдT)

モデルは豊川さんというディレクターの方ですが、後日きちんと筆入れして完成したものをお渡しすることができました。

ということで、以降はボク以外の登壇者の方のお話と記憶に残っていることを書いてみようと思います。

田口真行さん―プレゼンのコツ

田口さん自身の強烈なキャラを逆手にとり、客観的にツッコミをいれる新スタイルでした。個性が強ければ強いほどできる一人二役のやりとりは田口さんならではで、会場も盛り上がりアイスブレイクとして見事でした。あの映像を見た瞬間に、Tシャツの色が (田口さんだけ) 決まっていた理由を悟りました (笑)。

  • コミュニケーションのコツは、自己紹介で好きなものを説明するときに隠れている
  • プレゼンは根拠を示し、相手からの共感を得ることがもっとも大切だ

鈴木教久さん―人狼ゲームのノウハウ

鈴木さんご自身が企画・開発をされた「人狼ゲーム」のノウハウ (からくり?) についてお話いただきました。とくに初心者が陥りやすいパターンや、熟練者がいる場合の傾向と対策などをわかりやすく解説いただき、したことがない人にも興味が湧く内容でした。早速、あべちよさんも人狼ゲームやってみようと言ってました。

  • 人狼ゲームには、初心者が陥りやすい心理的パターンがある
  • 初心者はジタバタすること、情に訴える必死さが大切だ

中村健太さん―企画のコツ

中村さん自身の経験をもとに、実際の事例でどのように振る舞ったか、どういう思考でものごとを判断しているかについて触れられました。そもそも熱意やパワーを持ち続けている中村さんらしいアプローチで、とても15分とは思えない速さ (鈴木さんの倍速くらい?!) で一気にプレゼンが終わってしまった印象です。

  • 「その企画に愛はあるか」この企画が「すごいんだ」っていう熱意が重要
  • 「それじゃあ仕方ない」と思わせることで、企画を前に進めること

高瀬康次さん―ミスディレクション

もっとも驚いたのは、マジシャンのほうがWebディレクターよりも経験が長いという高瀬さんのセッションです。登場から手品を披露し、種明かしをしていく中で見つかるWebディレクターとしての仕事の考え方、共通項についてお話いただきました。いつもよりイキイキとした高瀬さんの表情が印象的でした。

  • ミスディレクション」とは意識を外させることを指す
  • 人の意識は、点で捉えることで適切にディレクションすることができる

阿部正幸さん―JavaScriptの苦手を克服しよう

時間内に終わるよう、15秒で自動でスライドが進む斬新なプレゼンスタイルでした。これを実現している技術も話す内容も JavaScript なのが面白い。話している途中でも容赦なくスライドが進むので、そのやりとりだけでも楽しめました。ご自身でも言ってましたが「ドM」ですね (笑)。スライドはこちらで公開されています。

  • 絶対に時間どおりに終わる 15 秒で自動送りするスライドを実演
  • object や DOM をわかりやすく解説

松尾茂起さん―反復のすゝめ

ワンフレーズ「反復」だけを盛り込んだセッションで、今回もキーボードで弾き語り、Youtube のビデオで笑いと感動を誘った内容でした。松尾さんならではの独特の「間」と今回のテーマ「反復」とがいい感じに折り重なって、終わったときには「圧倒的 感動!」としか言えない状況になりました。スライドは SlideShare で公開されています。

  • 「ブレないからこその感動」の下りが個人的にはとても好きです
  • 感動は反復で作られる、結果「Oh! 田口」を熱唱いただきました

長谷川恭久さん―好きなものに間違いはない

合計2000時間も熱中しているオンラインゲーム「World War Craft」を題材に、はじめて触れたときの印象を朗読から始めました。前の松尾さんからのバトンタッチということで、非常に入りづらい印象でしたが、自身がのめり込んだゲームの話だけあって、いつもより熱を感じたのはボクだけでしょうか。

  • コーヒーを染み込ませた、あの日の自分からの手紙のような演出が印象的
  • 好きなことには理由がない、好きなことと人間性は関係ない

中尾 豊さん―成功するリスティング広告

検索連動広告の「血の海地獄」と対比して、ディスプレイ広告で独占状態をつくるというアプローチは非常に分かりやすかったです。打ち間違いでもある「entermima」でその独占状態を説明することや、マイルドヤンキーのくだりで自分とは異なるターゲティングについてもスッと理解できました。スライドは SlideShare で公開されています。

  • ディスプレイ広告で気づきを与える大切さ
  • 積極的に検索していないユーザー (マイルドヤンキー) を攻略する

中尾さんのブログ「背景に論理がない感情論は意味がない〜エンタミナ4の登壇を終えて感じたこと〜」にも感想が書かれています。

中川直樹さん―プレゼンテーションで気にしていること

中川さんのセッションは、アッという間に中川さんの世界観に没入してしまいます。この演出もそうですが、オーケストラや寿司ネタに加えて感情移入の解説は文字どおりヤバかったです。「シンデレラ曲線」ははじめて聞いたのですが、CJMと同じで自分事に感じやすくなるポイントを解説されていました。

  • 人に伝えるということは「素敵に伝える・ストーリーを伝える・自分事だと思わせる」ことだ
  • シンデレラ曲線で物語を時間軸にして可視化する

鷹野雅弘さん―英会話レッスン

鷹野さんは前回に引き続き、英会話レッスンをしていただきました。完全に教室というメタファで演出されており、この時間は全員生徒となったことで、飽きさせない工夫はさすがでした。また、身になる覚え方として、Netflix を観ることでシャドーイングが有効な点、わからない穴ぼこをつくることなどを教わりました。

  • 英語の授業で、かつ抜き打ちテストが本編のシナリオになっていた
  • 「パーリー」など「ラリルレロ」に変わるパターン (ハイディ矢野氏の著書)

エンタミナ4 グラレコ(投票)

まとめ

1人15分というリズムで進めたことと、各登壇者の内容がまったく被らなかったことで、参加者としても飽きずに楽しめたイベントだったと思います。また、15分というかなり短い時間にも関わらず、内容はいつもにも引けを取らず一流のプレゼンターばかりだったのも印象的でした。最後の「おかわりセッション」という投票システムもそうですが、これまでとは一線を画すイベントになったことは間違いないと思います。

個人的には、登壇者もさることながら新しい試みにチャレンジできる場を用意してくれた田口さんはじめスタッフの皆さん、そして会場をお借りした C&R 社さんにも感謝感激雨霰です。ありがとうございました。

また、今回も登壇者全員分のグラレコが作成されました。毎回、セッション内容を事前に共有できていない中で書き起こすグラレコは相当大変だったと思いますが、今回もすべての登壇内容をきちんとグラレコで描き上げられていたことに感動しました。

そして、登壇者どおしの交流もいっそう強まり、その日は翌朝までディープな懇親会 (なぞ) で楽しく過ごしましたとさ。次回があるとしたらどんなセッションにできるか自分の中でも猛省するばかりです。

エンタミナ4 登壇者

最後に、中尾さんが書いてくれたTシャツで一句。登壇内容を組み合わせてみた自由律短歌です。

過去のイベント

関連情報


Attract Fans, Creative Mind #entermina 3

entermina 3

4/9 (土) に開催された週末のエンターテインメント「エンタミナ3」に登壇してきました。今回で3回目になる本イベントは「ファンを惹きつける、クリエイティブマインド」をテーマに、個性的な講師たちが普段話さないことを題材にするというもので、とてもユニークなイベントになりました。

まず、講師陣が豪華です。人狼ゲームの企画者でもある鈴木教久氏、「沈黙のWebマーケティング」著者の松尾茂起氏、CSS Nite の鷹野雅弘氏と本イベントの主催でもある田口真行氏です。その一旦にボクも参加させていただいたわけですが、田口さんの紹介ビデオが面白いのでこちらもご覧ください。

タイトルなし by 坂本貴史

普段話さない題材で何にしようか悩んだ結果、これまでの経験をシンプルに説明するスタイルにし、なぜ IA (情報アーキテクチャ) に興味を持つことになったのか、そして今何をしていて今後どのようなことを考えているのかについて触れてみました。スライドだけでは伝わりづらいとは思いますが、SlideShare でも公開しておきます。

途中で取り入れたスマホの交換ワークショップは賛否両論あったかも知れませんが、整理整頓の話から IA の話、そして UX (ユーザーエクスペリエンス) へと展開するセッション内容の〈芯〉になったと思っています。そのおかげもあり参加者といっしょに作り上げるイベントとしてのトップバッターの務めは果たせたかなと思っています。

将棋指しのチェス by 鷹野雅弘

CSS Nite でおなじみの鷹野さんが、運営側ではなくスピーカーとして登場。歳とって、やっちゃいけないこととして「説教・昔話・自慢話」と言いつつも、ご自身のこれまでの経験を振り返り、後半にはなんと英語の授業という構成で楽しく学ぶ (?) ことができました。

  • 「他の人があまり経験したことないことを晒す」ハッシュタグを題材に、これまでの経験をお話しいただきました。
  • 「100以上の仕事をしたことがある」なか、ミュージシャンをされていた経験が今に活きている事を指し「オファーには飛びつこう」という積極的な姿勢を説得力をもってお話しいただきました。
  • 英語の教師をされていた経験から、後半は「20分で飛躍的に英語力が向上する英語教室」を開講。「Party」が「パーリー」と発音するメカニズムなど、短い時間に上達する Speaking のコツを教えていただきました。

はじめて鷹野さんのプレゼンを見ましたが、とてもわかりやすくて授業を受けているような感覚でした。最後に、スティーブ・ジョブズの言葉「Connecting a dots」を引き合いに出し、ミュージシャンと CSS Nite、英語と日本語などを対比しながら共通点を見出し、すべてはつながることを強調。鷹野さんの何にでもチャレンジしていく姿勢が垣間見れてとても楽しかったです。

あなたの人生を変える”倍音”の話 by 松尾茂起

書籍「沈黙のWebマーケティング」の著者である松尾さん。いつもなら SEO やコンテンツについてのお話しをされる松尾さんが、今回は音楽についての授業をご自身のキーボードを持参して語られました。とくに音や周波数の違いから生まれる人の印象の違いは興味深く拝聴することができました。

  • 倍音(ばいおん)」についての説明。どんな音も複数の音から成り立っていることをキーボードで演奏しつつ実演していただきました。
  • インテル入っている」ショーン氏の声をサンプルに、声の周波数の違いにより人の印象が声で決まるということをご説明いただきました。人で分けると、黒柳徹子は整数次倍音、森進一は非整数次倍音など。
  • なぜ、日本人は非整数次倍音に親しみを覚えるのか。日本人は音を左脳で処理している科学的論拠や、日本語に含まれる子音の多さなどから紐解いてご説明いただきました。

鷹野さんの英語の授業に続き、音楽の授業になった松尾さんの講演は、自身のキーボードで実演いただく近年稀に見るエンターテインメントなセッションでした。聞いたことのない言葉「倍音」をテーマに、音とコミュニケーションについての本質を突いていたかと思います。ボクの声もインテルは入っていないと思いますが (なぞ)、日本語や日本人の性質と音楽との関係性などが理解でき、楽しみながら音楽を学ぶ機会になりました。

生きているうちに評価される道 by 鈴木教久

人狼ゲーム(牢獄の悪夢)」の作者である鈴木さん。「necomimi」のプロダクトディレクターでもありイベントディレクターや番組プロデューサーなどもされているマルチプレイヤーです。そうした彼自身の経験から、クリエイティブなものを生みだすための5つのポイントを簡潔にご紹介いただきました。

  • テレビ番組や映画にもなった「人狼ゲーム」について、発売後どれくらい利用者が増えたのか、どのように認知が広がっていったのかを(知らない人向けに)簡単にご説明いただきました。
  • クリエイティブなものを実現するための「5つのモノサシ」をご紹介いただきました。5つとは「ビジネスの参入障壁・技術の参入障壁・メディア拡散力・自分以外への利益・身の丈にあっているか」についてです。
  • 「死んでから評価される道と、生きているうちに評価される道」のどちらを選択するのか、という問いから始まり、「誰のために世界をどう変えたいのか、それが明確なら人がついてきてくれる」というマインドの大切さをお話しいただきました。

はじめてお会いした鈴木さんのお話しは、スタートアップの話にも通じてとてもわかりやすく説得力を持っていました。ボクは「死んでから評価される道」に手をあげてしまったのでアレですが、やはり何かを作るのは工場ではなく工房であり、深夜の個人作業に宿るのではないかと思いました。講演後にかけつけたファンの多さにも驚き、いろいろな面でとても刺激を受けました。

人前で人を惹きつける喋り by 田口真行

本イベントの主催でもあり、デスクトップワークスの代表でもある田口さん。最近は Schoo の公式チャンネル開設などでご活躍の彼がもっとも勝負できる「喋り」についてお話しいただきました。彼自身の経験から喋り下手がどうすれば惹きつける喋りができるようになるのか極意を教えていただきました。

  • 本イベントの講師陣・プログラム構成の中で、大トリを務めることになった背景から、自分がもっとも自信のある「人を惹きつける喋り」についてスライドを使わずにお話しいただきました。
  • 会場にいる参加者の中から、喋り下手な方を参加させてのワークショップをその場で実施。
  • 相手の共感を得られにくい例として、ヘンに準備してしまい一方的に話してしまう例をあげ、急に話題を振ることでの発想力と緊張感による効果を実演していただきました。

参加者を巻き込むワークショップはとても面白かったです。時間がない中で参加者を巻き込むパワーは流石だなと思いました。答えをあらかじめ準備するよりも、その場の雰囲気で話せるようになるといい、ということだと理解しましたが、かなりハードルが高いだろうなあと感じました。また、話すのと発表するのとではかなり違うと思うので、ケースに分けて説明いただけるとさらによかったと思いました。

トークセッション(モデレーター 高瀬康次)

最後は、登壇者全員が参加してのトークセッションを行いました。モデレーターは、前回登壇もされた高瀬康次氏が担当していただきました。凄いことをやっている人やチャレンジしている人の「うまくいかない方法」について深掘りしようという内容でした。

  • 失敗談とその考え方については、失敗の捉え方や次につなげた経験についてお話ししました。
  • ビジネスレイヤーの方にうまく伝える方法としては、数値目標の話や企業における価値についてお話ししました。
  • デザイナーの価値のあげ方については、自信を持つことや価値を磨くこと、上流工程で巻き込んで進めていく発言力についてお話ししました。

なかなか鋭い質問もあり、最後のトークセッションとしてはまだまだ熱が冷めていない参加者の意気込みや会場の雰囲気が伝わってきました。質問が多くあるということは、それだけ関心を持っていることがあり共有したい姿勢が多かったということだと思うので、イベントとしてもとてもよかったと思います。

グラフィックレコーディング

グラフィックレコーディング

今回も登壇中にライブで図を書き起こすグラフィックレコーディングを実施しました。読者が理解しやすいよう流れを可視化するこの手法は、最近では珍しくなくなってきたかと思いますが、今回は参加者にも参加するカタチで付箋で貼っていく試みを実施していました。

参加者と対話しながらできあがっていくその試みは、とても刺激的で新しかったです。個別に振り返りができなかったのがたいへん残念でしたが、和田さん小野さん名古屋さん、ありがとうございました。

まとめ

今回のエンタミナ3は、3回目にしてようやくエンターテインメントに振り切ったイベントになれた印象です。ボク自身のセッションはエンターテインメントに振り切ることはできなかったと思いますが、いっしょに登壇された皆さんのセッションは、とても楽しくとてもいい刺激を受けました。

参加者の中には、まさかこういう展開になるとは思ってもみなかったと思いますが、実は登壇者側も当日まで話す内容はいっさい共有しておらず、運営スタッフも含めて当日はじめて聞く内容でした。それだけにそれぞれのセッションには驚きがありかつ楽しく参加者といっしょになって作り上げた一日だったと思います。

それだけ大きな化学反応が起きたイベントだったというのが総括ではあるのですが、自分も含めて新たな側面を見せることができた機会になったと思います。今回こうした試みをしたことによって、今後のプレゼンの作り方や内容、その場の作り方などには大きな影響があるのではないかと思います。

最後に、こんな素敵なイベントに呼んでいただいた田口さん、場所提供をしていただいたC&R社、ええ声・いい笑顔で最後まで仕切っていただいた司会の篠崎さん、実況担当やSNS担当、カメラや照明などたくさんの関係者の皆さんといっしょに作り上げたこのイベントは本当に楽しかったです。お疲れさまでした。また呼んでいただけるよう精進していきたいと思います。ありがとうございました。

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過去のイベント


Casual Journey Mapping for Web Directors #entermina

entermina opening

7月11日に、田口さん主催のセミナー・イベント「Webディレクター向けセミナーイベント vol.2 東京」に参加しました。前回のバレンタインデー企画で、たくさんチョコをもらったことが懐かしい感じですが、今回はゲスト出演というカタチで参加しました。エンターテイメント + セミナーでエンタミナ (#entermina) です。

登壇者の顔ぶれが豪華だったのはもちろんですが、昨年福井で登壇したメンバーとも重なり、開始前から大いに盛り上がったことに加えて、司会は前回同様C&Rの篠崎さんで、一日に8名の登壇者というフェスのような詰め混み具合にも関わらずスムーズに進行していただき、登壇者・関係者の熱量がハンパなく妙に心地よかったです。

講演「カジュアルジャーニーマッピング」

Casual Journey Mapping」というタイトルで、先月ベータ版の登録受付をリリースしたばかりの「UX Recipe」の紹介をさせていただきました。

前提となる課題の捉え方としては、ワークショップだけでは仕事は終わらないことを強調し、拡散と収束におけるデザイン思考プロセスのお話をしました。オンラインツールの有効性と比較に加えて、今回実現したかった体験を簡単なデモを交えてご紹介することができました。

Casual Journey Mapping for Web Director #entermina

ほかの登壇者の話を簡単ですが紹介したいと思います。

田口さん「企画や提案は自分のため」

主催者でもあるデスクトップワークス田口さんの講演は、「企画や提案は誰のためにするのか?」という問いについてお話いただきました。「クライアントやユーザーのため」という模範解答的な答えではなく、結局は誰が納得すればいいかを考えた場合、そこには「自分」しかいなかったというお話だったと思います。決して、自己主張が激しいという面ではなく、自分が納得するよう取り組む姿勢こそが提供する価値であり、そのために自分の頭で考えて自分の言葉で説明するスタイル(自分ゴト化)は、個人的にも素直に共感できました。

阿部さん「誰が言ったかが重要」

前回も登壇されたCPIエバンジェリスト阿部さんからは、自身が取り組んでいるCPIのマーケティング施策を紐解きながら、コンテンツ・マーケティングの具体例をお話をいただきました。「知る・評判・購入・口コミ」といったユーザーの行動パターンをもとに、どうすればユーザーがコンテンツに触れてもらえるのかをわかりやすく解説していただきました。ユーザー視点と企業視点でのブログ記事の書き方から実際の評価の違い、「誰が言ったかが重要」という点はまさにこのブログにも通じるものがあります。最後にLINEアカウント「cpi-line」の紹介がありました。

中尾さん「検索前に勝負は決まっている」

福井からゲスト登壇に駆けつけた中尾さんは、著書「Google Adwordsで集客・売上UPする方法」「儲かる検索キーワードの見つけ方講座」などでもご紹介していただいているリスティングと取り組み方についてお話いただきました。ザイアンスの法則をもとに、接触を増やす/接触回数を増やすことを念頭に、リスティングの成否は検索前に決まっている点を強調。そのためには、検索する人しない人という大枠「Living Activity」から、ターゲットの嗜好や行動パターンを考えることの重要さをお話いただきました。

松尾さん「共感を生むには感情が必要」

沈黙のWebマーケティング」という小説でもお馴染みWebライダー松尾さんの講演では、共感するコンテンツの作り方について自身で取り組まれたオウンドメディアの事例を交えてのお話をいただきました。共感してもらうためには「感情」がないとダメな点、ストーリーとは「物語(モノを語ること)」であること。思わず2つめのクイズで正解を出してしまったのですが (汗)、非常にリズミカルな講演でした。

今回、もっとも記憶に残ったのはこの松尾さんがお話されていた事例コンテンツにおける共感の生み方です。モノを購入してもらいたいサイトでは、そのモノの利点ではなく、そのモノに出会った背景に共感してもらうことが重要。これを図で示すと以下のようになり、行動シナリオで見ると購入前に力点が置かれていることがわかります。

購入者と未購入者との間にある共感を生む範囲

共感を生む範囲の図解

購入してもらいたい人(つまり未購入者)に対して共感を生むには(つまり同調できるのは)、購入前の経験でしかないということです。これは非常にわかりやすい例でした。あとはもうよく覚えていないですが (笑)、メラビアンの法則から言葉ではなく「外見や表情」から感情を伝えるアプローチとして「マンドリル」のキャラクター紹介でした。思わずLINEスタンプもゲットしたけど使うシーンが思い浮かばない…。

中村さん・高瀬さん・田口さん「最近執筆中の本」

Webディレクション協会としても取り組まれている中村さん高瀬さんからは、最近着手されている新刊についてお話いただきました。Webディレクターズマニュアルの購読者も多い今回の参加者からいくつか質問もありましたが、事例をもとにしたディレクター向けの本ということで、ボクも興味があります。

PM向けの本ならPMBOKやPMPの汎用的な活用に至るケースが多いと思いますが、話を聞いている限りだと事例や個別の対処についてのノウハウが満載なのではないかと期待しております。また、「Webディレクターは何から始めるか?」という問いで興味深かったのは、リサーチすることに加えてワイヤーフレームを書くとかも声にあがった点です。ここは個人的にも掘り下げてみたいなと思った話でした。トリオ漫才かと思わせる雰囲気で短い時間でしか面白かったです。

中川さん「エモーションとロジック」

アンティー・ファクトリー中川さんの講演は、自身のアートディレクターとしての価値観をベースにお話いただきました。興味深かったのが、モノだけでは伝わらない現代において、モノを含んだコトを伝えることの重要さです。その伝え方という点で「エモーションとロジック」について、感情に訴えるアプローチと論理的な説明などと組み合わせることできちんと伝えることができるということ。Apple Watch の CM 発売前・発売時・発売後の違いなどについてまさに動画をみたことで言葉の説明を超えて理解することができました。

ダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」から引用した「ファストシンキングとスローシンキング」についても同様に組み合わせることや使い分けについてのお話だったかと思います。最後に、ワクワクするためには、全てにリズムと抑揚、音楽をオペラのように奏でるような取り組む姿勢が必要ということでした。

パネルディスカッション

パネルディスカッションの前に、Schoo で田口さんの講座でもおなじみの若狭みなとさんも登場し、その間に登壇者がお揃いのTシャツで登場しパネルディスカッションをすることになりました。

その中で、いくつか質問があったかと思いますが、個人的には「最近気にしていること」や「これまでの失敗談」の話が一番印象に残りました。ボク自身でいえば、最近企画に携わったIOTがらみの案件で感じた「メーカー側に必要になるUX視点」で、そういう意味では「IOT」は一つのトピックになるというお話をしました。

また失敗談は、やはり聞きたいことと答えていることがすれ違っていたように思います。多分聞きたかったのは自身の失敗で、答えていたのはプロジェクトの失敗のような気がしました。そういうところでも伝え方について興味深く聞いておりました。

感想

第二回目ということで、第一回目に比べて進行もスムーズに (?) 遅れた感がありますが、参加者からのアンケートを見てみるとイベント自体にとても共感された方が多かったように思います。8人それぞれのメッセージに共通するもの、それは多分「相手を知り、己を知る」以外にないのかも知れません。テクニックや専門用語こそあれ、すべてに共通していたテーマだったように思います。

また、登壇者は皆「自分のメッセージに自信を持ち、だからこそ伝わる」ということにも改めて気づいた一日でした。

個人的には、やはり各人のお話をもう少しじっくり聞いてみたいところと、最後のディスカッションのようなカタチでもう少し各自の考え方や最近の活動について掘り下げられるとよかったかなと思いました。ボク自身はツールの紹介と淡白な内容でしたのでちょっと消化不良な感じがありました。また別の機会にもう少し語れるようなお話ができるようになりたいと思います。

「と、コラボ」特別編の告知

最後に、来月 C&R の「と、コラボ」特別編に『長谷川さんと坂本さんの「UXってなんなのさ」 (仮)』というトークショーイベントに参加するので、その告知をさせていただきました。#tocolabo

ギニュー特戦隊のポーズ

裏話的なものも数限りなくあるので、それはまた別のエントリーに書いておこうと思います。写真は、お揃い色違いTシャツで登壇者がギニュー特戦隊のポーズをしている風景です (笑)。