New book launch “IA/UX Practice”

IA/UXプラクティス

3/18 (金) に書籍『IA/UXプラクティス』が発売されました。

単著として 2 冊目の本ですが、予約開始直後から多くの方にご紹介いただき、とくに献本させていただいた方々のご紹介のおかげで、予約数も前著を大きく上回る結果となりました。本当にありがとうございます。

この本が示すテーマは、「情報アーキテクチャとUXデザイン」ということになりますが、過去を振り返って整理した部分と、これから考えなければならない部分とが混在しています。その中で、演習をカットして「よくある課題 (Practice)」に変更したのは、問題を解くことよりも問題を共有する段階に今はあるのではないかと考えたところにあります。

今回新たに書き下ろした第5章は、昨今のカスタマージャーニーマップに関する経験と課題をまとめています。付録につけた「UX Recipe の挑戦」まで読めば、今後求められるデザイン活動においてカスタマージャーニーの重要さとUXデザインのアプローチ(方向性)がなんとなくイメージできるかと思います。

この「なんとなく」が重要だと考えています。

すでに読んだ人の中には「内容が浅いのではないか?」「もっと具体的に知りたい」と思った方もおられると思いますが、知りたい内容や具体的にしたいことは読者ごとに違います。セミナー後のアンケートでも同様ですが、もっと進め方の詳細を知りたいと思う人や、もっと具体的な数字を知りたい人、説得材料がほしい人、巻き込み方を知りたい人、ツールの使い方を知りたい人などさまざまです。

これらは山積するサービスの課題とまったく同じです。個別に対応するのではなく、それらが指し示す本質的な課題はなにかを考えてみました。ボクはそれを「関係者との課題の共有不足」ではないかと解釈しました。そのため、この本はそうした課題を幅広く扱うカタチになっています。あとはそこからどう詳細に落とすか、どう具体的にするかは読者の置かれた環境の中で見出していただければと思っています。

本書が、そのキッカケづくりに貢献し関係者の共通言語となることを願います。そしてそれを広く共有していただければ、われわれのデザイン活動は大きく前進すると信じています。

IA/UXプラクティス』の発売を記念して各地でセミナーを企画しています。希望があれば Facebook でメッセいただければと思います。

最後に目次をざっと並べて見てみました。みなさんの課題のヒントは見つかったでしょうか?

目次

第1章 UXデザインのとらえ方

  • UXデザインとは
  • ユーザビリティとの違い
  • HCDプロセスの応用
  • リーンUXの原則
  • Practice: UXデザインをプロジェクトに入れるには?
  • コラム: リーンUXと品質の関係性

第2章:モバイルのUXデザイン

  • モバイルファーストの考え方
  • モバイルデザインのヒント
  • タッチ・ジェスチャーのインタラクション
  • 解像度とレスポンシブ対応
  • Practice: モバイルの役割を考えるには?
  • コラム: クロスチャネルにおけるデザイン

第3章:モバイルにおける情報アーキテクチャ

  • モバイルのIAパターン
  • 階層型
  • ハブ&スポーク型
  • マトリョーシカ型
  • タブビュー型
  • 弁当箱型
  • フィルタビュー型
  • 複雑なナビゲーションパターン
  • Practice: デザインパターンを活用するには?
  • コラム: 愛着を深めるマイクロインタラクション

第4章:問題解決としての情報アーキテクチャ

  • コンテンツ構造設計と優先順位
  • 検索パターンとナビゲーションの関係
  • プロトタイピングという可視化
  • デザイン原則
  • Practice: プロトタイピングツールの使い方とは?
  • コラム: サービスデザインという見方

第5章:UXジャーニーマップと可視化

  • ジャーニーマップの種類
  • シナリオの活用
  • 定量✕定性
  • UXマッピングツールの活用
  • Practice: カスタマージャーニーマップを活用するには?
  • コラム: カスタアマージャーニー分析

付録

  • アプリUIデザイナーからみたUX with 深津さん
  • ECサイトにおけるLPパターン by 稲本さん
  • 事業会社におけるUXデザインの取り組み by 村越さん
  • UX Recipeによる挑戦
  • UXデザインに関する書籍紹介

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Piece of Service Design Sprints

Service Design Sprints のフレームワークを使って、試験的にワークショップを実施しました。

Service Design Sprints とは、リーン・スタートアップとサービスデザインを組み合わせたようなもので、4 日間で MVS (Minimum Viable Service) を得る手法です。Google Ventures の Design Sprint とは異なるものです。そのほか半日や 2 日間で行う Google Design Sprint もあります。

  • Service Design Sprints / 4日間 / 最小限のサービス (MVS) を得る
  • GV Design Sprint / 5日間 / 最小限のプロダクト (MVP) を得る

最終的に落とし込むのが、サービスかプロダクトかという点で違いがありますが、どちらもリーンスタートアップをベースにした短期間集中プログラムです。ちなみに、書籍は『サービス・スタートアップ』と『Sprint』が参考になります。

ワークショップ

今回のワークショップは、短い時間の中で Service Design Sprints を知ってもらうこと、体験を通してアイデア創出のヒントをつかんでもらうことを目的に取り組みました。

2時間だけだったこともあり、ワークの中から「Time Machine / Invoke your heroes / SWAP」の3つだけを取り出し、それぞれを約 20 分くらいで取りかかるというクレイジーなスケジュールで取り組みました。

  • Time Machine: 過去・現在・未来を調査する
  • Invoke your heroes: ヒーローにインタビュー
  • SWAP: たくさんアイデアを出す

Time Machine – 過去・現在・未来を調査する

ワークショップ風景

まず、グループごとに対象サービスを決めてもらいます。以下4つの中から選んでもらい、それぞれの過去・現在・未来を調査していきました。サービスの選定基準は参加者が利用したことのあるサービスとしてボクのほうであらかじめ用意しました。

  • コンビニ
  • 地下鉄
  • コーヒーショップ
  • スーパー

ワークブックでは「Yesterday / Today / Tomorrow」と書かれていましたが、いつの時代かで迷う人もいたので「起源 / 今 / SF」くらいの振れ幅で考えてもらうようにしました。過去を見つめ直してもらうことで、新しい未来を考えるキッカケにつながります。

そのあとに、それぞれの時間軸で「Learn / Use / Remember」を深掘りしてもらいました。これも「認知方法 / 利用方法 / リピート方法」という具合に、独自の解釈を加えて進めてもらいました。

Invoke your heroes – ヒーローにインタビュー

Invoke your heroes

実際のユーザーにインタビューをしてもらいます。この場合「Hero」とは「エクストリーム・ユーザー」を指します。今回は時間もなかったので以下 4 タイプから選んでもらうようにしました。

  • ヘビーユーザー(熱中しやすい人)
  • ギーク/テッキー(一日中スマホ触っているような人)
  • 臆病/慎重すぎる(何でも臆病になる人)
  • シニア(高齢者)

このタイプが1で決めたサービスにおいて、どう振る舞うのか(どんな人で、どんな行動をするのか)を付箋に書いてもらい「The Hero Profile」のワークシートに貼り付けてもらいました。

だいたいイメージが固まってきたあとに、実在する人にインタビューをしてもらいます。聞き手と書き手のペアで取り組んでもらうようにして、オフィス内で直接聞いてみたり、チャットやメッセで聞いたりしてもらいました。

インタビュー項目は、主にペルソナで使われる構成要素をベースに考えてもらいました。

  • プロフィール(性別・年齢・居住地・職業・家族構成など)
  • サービス利用(1で決めたサービスとの関わり方)
  • 価値観(性格やタイプ、なにを大事にしているかなど)
  • 課題や要望(どういう課題を持っているかなど)

SWAP – たくさんアイデアを出す

SWAP

インタビューで得たニーズや課題からアイデアを描いていきます。インタビューした中から、特徴的だったことや重要そうな課題やニーズを付箋に書き出してもらいます。その中からコアな課題を見つけ出し、解決案(アイデア)を考えるベースをつくります。

解決案は「SWAP」のワークシートをもとに1人2案以上を作ってもらいました。簡単なスケッチと説明文を書いてもらいグループ内で共有し、お互いにプレゼンしてもらってグループでの1案を決めてもらいました。

この解決案(アイデア)の説明も独自に考えて、「意図 / Intention」と「要素 / Avatar」とで分けて考えてもらうようにしました。そうすると、アイデアの概要をすぐに共有しやすくなると思ったので。

  • 意図 /Intention: そのサービスの意図、ユーザーの目的について書く
  • 要素 /Avatar: そのサービスを構成する要素、インターフェースや環境を書く

最後に、グループごとに施策案を発表してもらいます。各グループでいろいろ施策を出してもらいグルーピングなどをし、グループ内で投票して1案を決めてもらう方式で進めました。グループごとに発表してもらい、無事に終えることができました。

まとめ

非常に短い時間でしたが、比較的スムーズに進めることができました。今回のワークショップで一番伝えたかったのは「インタビューして考えたアイデアは、インタビューした人だけの解決案ではないということ」です。

デザインスプリントという言葉を知らない人でも、こうした進め方に慣れてくれば、どういうインプットでどういうアウトプットができそうかが分かり、早い段階で問題解決のアイデアをつくる術が学べるという点もよかったと思います。

また、これまでにユーザーリサーチやインタビューをしたことがない人でも、実際にインタビューをしてもらったりしてユーザー視点を体験するので、デスクワークだけでは気づきにくい新たな気づきを得るなどの効用もあったかと思います。

参加者からも好評でしたので、今回のを糧にしてまた違う機会でも取り組んでみたいと思います。

日本のコミュニティ発足

今回のワークショップで利用した Service Design Sprints ですが、マスター認定をもらっている日本人どうしでコミュニティを発足しました。インフォバーンの井登さんハコスコの奥さんと一緒にこの活動を盛り上げていければと思います。

近いうちにイベント開催や勉強会兼ねたミートアップを予定しているので、このあたり興味・関心をお持ちの方は Facebook メッセでもかまわないのでご連絡ください。

sds-JP-masters

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2nd book “IA/UX Practice” will finally launch

IA/UX PRACTICE / MOBILE INFORMATION ARCHITECTURE & UX DESIGN

単著として 2 冊目の本『IA/UXプラクティス』をボーンデジタルから発売することになりました。書店発売が 3/18 で、アマゾンなどのネット書店が 3/22 です。

2014 年のあの日から、2015 年にかけて慌ただしく時が流れていったのを覚えています。人にとって小さいことでも、自分にとってはとても大きなことだと痛感しました。あの日から、自分にとって何が重要かを真剣に考えるようになりました。

その時助けになったのが『小さなチーム、大きな仕事』という本です。Basecamp の創業物語ではありますが、自分が信じるものの強さやそれに取り組む姿勢が理解でき、その時の自分にとってとても刺激的な内容でした。

そして、2013 年の年末ごろから考えていたことを実践に移すカタチで、UX ツール『UX Recipe』の開発に乗り出すことになります。

ともかくも、2015 年から今回のお話を受けてようやく発売にこぎ着けたことに感慨深いものがあります。また、このような機会を暖かく見守っていただいた関係者の皆さまにもこの場を借りて感謝いたします。

さて、この本ですが 2014 年に書いたものを一部改訂し、2015 年に起こったさまざまな変化を IA や UX という文脈に載せて新たに書き加えたものです。何がどう変わったのかは、ぜひ手にとってご覧いただければと思います。立ち読みで後ろからパラパラめくるだけでもわかるかと思います。

付録には、グッドパッチの村越さん、ゼネラルアサヒの稲本さんからの寄稿とギルドの深津さんとのインタビューも再掲させていただきました。

書店での発売は、『UX Days Tokyo 2016』のカンファレンス当日と同じ 3/18 (金) ですので、忘れずに書店に立ち寄ってみてください。アマゾンではすでに予約を開始しています。今後、イベント・セミナーなどでも紹介させていただければと思います。

IAシンキング』を超えて、2年越しでようやくカタチにできた『IA/UXプラクティス』をどうぞよろしくお願いします。

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Playback 2015

京都

2015年は、「Stayの1年」だったと思います。動いているようで動いていない。と同時に、これまでの積み上げが功を奏した年だったとも言えます。

4月に組織変更があり、新組織における自分の役割も見つめつつ、自分に求められていることを従順に進めてきた印象です。それはつまり今後のために充電期間だったようにも思えます。

ブログ

2014年19本だったこのブログの投稿は、2015年は計15本と少なかった印象です。ただし、Medium への投稿(英語)を2本できたことは昨年までなかった動きとして興味深いです。もっとも多く「いいね!」をもらったのは以下のエントリーでした。

講演

2014年の20本が、2015年は34本くらいしていたようです(外部講演のみ)。おかげさまで全国(仙台・金沢・福井・名古屋・福岡)を訪れる機会をいただきあっちこっち行った印象があります。

その中でも、改めて情報設計をテーマにした「small IA さみっちょ」や、三社合同勉強会の継続(計7回実施)、宣伝会議の講座が後半多かった印象です。またUXについてトークショーができたのも新しい経験でした。

  • Small IA さみっちょ #smallia
  • WCC合同勉強会「クリエイティブを考えるデザイン思考をつくるワークショプ」
  • 宣伝会議「コーポレートサイト一日講座」と「カスタマージャーニー基礎講座」
  • ソシオメディア主催UX戦略フォーラムのスポンサーセッション
  • UX Japan Forum 2015「Customer Journey Map Exercise」(福岡)
  • 名古屋大学リーディングプログラム企業メンター計6回(名古屋)
  • Members University「CJM x Paper Prototyping」(東京・仙台)

執筆

日本デザイン学会やヒューマンインターフェース学会への論文投稿をすることができました。また、広報会議に寄稿したものが書籍出版されました。日経SYSTEMでも寄稿しています。コーポレートサイトの考え方からUX、そしてジャーニーマップなどの手法について書くことができました。

  • ヒューマンインターフェースシンポジウム2015に論文投稿(研究発表)
  • 広報会議誌 デジタルPR実践入門に寄稿(発売済み)
  • 日経SYSTEMS 8月号 特集2に寄稿(発売済み)

仕事

前半は、UXツールの研究開発を並行したうえで、UIプロトタイピング設計やWebサイト設計の支援に携わることができました。そして、UXツール「UX Recipe」の登録開始をリリースすることができ、グループ会社といっしょに進めたワークショップを活かしたワークショップ型UXデザインサービスのローンチができました。後半は、大規模案件のリカバリーにも参加したのが記憶にあたらしいです。

プライベート

1月には、はじめて大相撲を見に行くことができました。また、家族の3Dフィギュアを作ったりもしましたね。4月に発売された Apple Watch も購入しましたね。

講演を機会に、日本全国をいろいろと回ることができたこともやはりイベントとして多かった印象です。夫婦で訪れた金沢や福岡、ひとり旅した会津など、もっとも思い出になったのは9月に人生はじめてハワイに行ったことですね。10月には大阪の専門学校のときの同窓会を開くこともできました。

あとは8月から続けた #sticky50 で、自分のイラストを描く楽しさが改めて実感することができました。

ニュース

2015年10月は、バック・トゥ・ザ・フューチャーの未来が現実になった日でした。世界中で盛り上がっていたのが記憶にあたらしいです。デザイン関連ではやはり、新国立競技場やエンブレムの問題が大きかったですね。デザインとは何か、模倣の定義やプロセスについて考えさせられました。政治関連では国会議事堂前のデモや大阪の橋下氏の政界引退、国際関連では、パリの同時多発テロなど事件や中国の大爆発、韓国との慰安婦問題も最後まで引きずっていたかと思います。明るいはずだった2020年オリンピックの話題が一斉に疑問符が飛ぶようなニュースが多かった印象です。

IA/UX界隈では、Design Sprint が流行り、UIプロトタイピングツールが脚光を浴びた年だったかと思います。一方でスタートアップ界隈では、ドローンからはじまりIoTやAIが米国を中心に盛り上がってきたという感じではないでしょうか。

映画

やはりつい先日観た「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が一番新しいのはそうなのですが、その前に観た「マッドマックス 怒りのデス・ロード」もすばらしかったですね。個人的によかったのが「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」や最後に観た「クリード チャンプを継ぐ男」です。なにか自己投影ではないですが、心に残った感じです。

  • スター・ウォーズ/フォースの覚醒
  • マッドマックス 怒りのデス・ロード
  • バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
  • クリード チャンプを継ぐ男

また、「ジュラシック・ワールド」「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」「007 スペクター」など大作を観ることができました。いずれも新宿東宝シネマが開館して4D上映が体験できたことがキッカケですね。試しに観た「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」ではヘトヘトになりました。

読書

読書はあまりしなかった印象ですが、よくよく考えてみると人にフォーカスされた本をよく読んでいた印象です。「ツイッター創業物語」や「イーロン・マスク 未来を創る男」「FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争」なんかはその例ですね。「ピクサー流 創造するちから」は分厚いので読むのが結構たいへんでしたが、非常に楽しく読むことができました。また「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」は、これまでのデザインに対する意識やプロセスなどの棚卸しとして振り返りができた良書でした。

IA/UX界隈では、洋書を翻訳した「今日からはじめる情報設計」や「一人から始めるユーザーエクスペリエンス」があり、UIデザインに関するものがありました。

2016年

テーマは「行動」です。2015年に充電してきた事柄(主に、プロダクト開発と外部発信など)を積極的に自身の活動に結びつける動きにしていこうと思います。単純な積み上げではなく逆算して疾走する。

見えている活動としては以下のようなことが挙げられます。

  • UXツール「UX Recipe」(モバイルアプリ)の一般向け公開
  • UXデザインなど自身の考えを配信するメディア化の整備
  • 海外カンファレンスへの論文投稿・講演機会
  • 改訂版書籍の執筆と発売
  • プロダクト開発を主とした活動の本格化(環境づくり)

最後に「赤めだか」にある立川談志の言葉を引用しておきます。

現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。

2016年も、よろしくお願いします。

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100枚の付箋と絵 #sticky50

sticky50 sketch book

人の二倍努力する」というのは、言うのは簡単ですが、なかなか実行できることではありません。ボクのように飽きやすい性格にとって長続きすること自体が稀なことです。それだけに、8月に開始した #sticky50 で50枚を達成した(毎日一枚付箋に絵を描く #sticky50)後、その二倍の100枚を本日達成することができました。

先の50枚では、ベタ塗りを基本に付箋を折ったりして遊んでいましたが、50枚以降は、純粋に絵を書いてみました。と言っても、ベタを極力なくし折ったりすることを封印したというだけですが。それだけにインパクトは少なかったように思いますが、自分の好き嫌いがまた改めてよくわかりました。

Follow Takashi Sakamoto’s board #sticky50 on Pinterest.

描く絵のスタイル変遷 (50~100)

#51 #52 はベタをなくすことを念頭に曲線を楽しみ、#53 #54 #55 #56 ではベタの代わりに花を描くことで微妙なグラデーションを狙っています。影絵みたいだという評価もうれしかったです。#57 は孔雀を描いて版画みたいになりました。#58 #59 はグラデーションを描いています。

#60 はバーでグラスが並んでいるのを見ていたら動物の鼻に見えてきて #61 が恐竜のシルエットで人の進化のように見せて版画にできないかと思い…これは完全に失敗作。#62 では自分の手をモチーフに手を使うことの重要性さを意識しています。#63 では猫を書こうと思っていたらハイヒールに見えてきたので、空想の産物になってしまっています。#64 はベタにしちゃっているので完全に自分に負けていますね…。#65 ではヒップホップ系に描いてみたり #66 は腕相撲なんですが「W」にも見えたのでポスターちっくですね。#67 で強そうに見えて実は強くない内面を表現しています。意外とこれは好きですね。

そして #68 では当時攻撃的な思いがあったのでそれを表現し、#69 ではソファで寝てしまった自分の姿を描いています。#70 は人魚を描こうと思っていたら歌い手のような感じになってしまいました。「ソプラノさん」というネーミングは自分でもお気に入りです。#71 は妻に猫背やねと言われたので猫背を描いてみたり、#72 はハロウィンだったと思うのですが、スリラーを思い出したのでマイケルジャクソンを描いていたら「Smooth Criminal」のシーンと間違えてしまっています。#73 人が続きすぎたので動物を書こうと猫を描いたのですが、取り組んでいたプロジェクトが三歩進んで二歩下がる状態だったのがわかります。前に進まない猫を描いています。

#74 は動物のナマケモノを描いていたんですが、途中から人にしても面白いと思い結局は人にしてはじめて重力を表現する髪を描いています。#75 では先に円を描いてそれに合わせて人にしてみました。案件がぐるぐる回っていたので堂々巡りを表現。#76 は執筆をしなければならなかったので天文学者をモチーフに、#77 では大忙しだったので、ケンタウロスで躍動感を表現してみました。

#78 何のために絵を描き続けているのか、という自問自答を小さな小さな目的のために大きなことをするクライマーを描いています。右手がおかしいところが失敗。#79 はダジャレですがはじめて女性を描いています。#80 は池袋の公園でよく見るフラフープおじさん、#81 はパリのテロがあった日ですね。遠いパリを思う自分を描いています。#82 は大相撲を見ていて関取を描いていたら、しゃがんでいるふつうの人になり、途中まで塗って充電中の表現にしてみました。#83 一歩ずつ進めるしかないのは仕事のタスクを示しているんですが、またベタにしているので自分に負けています。#84 このころはもう怒涛のプロジェクトで連日徹夜が続き本当に眠たかったのと #85 では夫婦揃って寝不足な状態に。#86 はもうなんだかよくわからんくなっていますね。描くときに曲線をテキトーに先に描いてそれに合わせて書いているのでやっぱり歪ですね。

#87 とにかく前に進めるしかない戦うしかない心情、#88 も風呂に入るにも心の油断ができない状態を、#89 フリンジの監視人をモチーフに、常に監視されているくらい気が休まらない状態を表しています。#90 もういっそそっちに飛び込むしかないことをスカイダイビングにして表現し、#91 でも水泳のスタートのように飛び込むことを表しています。

#92 はたしかドラマを見ていたと思います。これも直線を先に描き、それに合わせて女性を描いています。菜々緒っぽいですね。#93 は「007」を観た日に描いていますのでそのままです。#94 では直角を先に描いてご婦人にしてみました。#95 は真珠湾攻撃の日だったので宮﨑駿の映画「風立ちぬ」を思い出して描きました。

#96 は残りを意識して「◯◯神」みたいなものが描きたかったので縦の直線からインスピレーションを得て描き、#97 は縦ではなく横の直線から縁の下の力持ち的は表現を、#98 は斜線をインスピレーションに描いています。#99 で人の表現でガリガリしか描いていなかったので、デブも描いておこうと思い、最後の #100 は集大成的に、人・女性・曲線あたりを意識して「100」を髪の毛で描いています。

お気に入りの一枚

#sticky50 53/100 花鳥

Takashi Sakamotoさん(@bookslope)が投稿した写真 –

50枚以降での自分のベストは「#53 花鳥」ですかね。これを超える表現はなかなか作れなかったですね。3枚だけ続けて見るんですが、超えられなかったのでやめています。ヒューマンシリーズでは「#69 寝ると飛ぶは紙一重」がターニングポイントになったと思います。

総括

継続することが難しいというのはもちろんですが、むしろその時間を日々の生活の中で割くことの難しさが一番の大敵だと思います。仕事で行き詰まっているとき、やるべきことができていないとき、そんなときでもこの時間を割くことがはたして正しいのか、ほかにすべきことがあるとお叱りを受けるのではないか、そんなことも考えながら、むしろ行き詰まっているから、ほかにやるべきことがあるけどなかなかそこに行きつけないから続けていたように思います。

そんなこんなでようやく100枚です。この機会をくれた皆さんに感謝です。

ご覧になられた方ではどれが好きな一枚になったでしょうか。年末というのもあり一旦筆を置きますが、記念に製本サービスでも作ってみようかと思います。

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upgrade fukui+ 2015

10月4日(土)、福井県で行われた「アップグレードふくいプラス2015」に参加しました。7月に東京で行われた「エンタミナ」の福井版という位置づけでもあったため、登壇者も同じ顔ぶれです。福井に訪れるのは、今回で4回目 (?) くらいだと思いますが、昨年はじめて福井に訪問してからまだ1年しか経っていないことに驚きます。

米原駅ホーム

東京駅から新幹線ひかりで米原へ行き、米原から福井までしらさぎ特急で行くルートだったのですが、今回この米原駅で乗るはずだった特急車両がトラブルで足止めを食うことになってしまいました。ちょうど中尾さんが同じホームにいたので合流し、待ち時間のあいだに立ち食いうどんを食べ、ようやく来た次便に乗り込み福井県までの間通路に立ったままだったので「しりとり」をして時間を潰しました。

そんな中尾さんが司会だったわけでが、会場の福井県産業センターで約30名くらいの参加者とほぼ半日のイベントになります。簡単ですが、それぞれの講演内容を振り返ってみたいと思います。

KDDIウェブコミュニケーションズのファンづくり施策について

by 阿部さん (KDDIウェブコミュニケーションズ)

まずはじめは阿部さんです。ホスティング業界と各社サービスの比較からはじまり、コンテンツの伝え方の違いについて矢沢永吉や佐々木希などを例に出し解説いただきました。これはもう鉄板ですね。何度聞いても笑ってしまうので引用しときます。この違いが想像できれば言わんとしていることは理解できると思います。

  • 佐々木希「一本早い電車で先に行ってて。すぐ追い付くから」
  • 吉田沙保里「一本早い電車で先に行ってて。すぐ追い付くから」

また、ユーザーが本当に知りたい情報とは何かについて具体的な実例をもってご紹介いただきました。コンテンツを作るときに気をつけたいのは、企業が発信したい情報とユーザー目線の情報が「<」となったところにあるとし、具体的な画面上の行動についてもヒートマップで見られている部分まで掘り下げ、本当にここまでオープンにしていいのか (!) と思うくらい実際の数値を含む結果と考察を教えていだきました。

コンバージョンを高める表現設計の基本思考

by 高瀬さん (ダクハス)

自己紹介から全開の高瀬さんからは、クリエイティブの捉え方やツールについてお話いただきました。資料は SlideShare で公開されています。印象的だったのが「お、ねだん以上」ニトリのコピーから、その値段以上の魅力的な体験を想起させることでコンバージョンを高めていると指摘した点です。つまり、ユーザーエクスペリエンスが重要だと示したスライドがいろんな意味でインパクトがありました (笑)。

また、ニーズ(顧客の欲求)とシーズ(商品価値)のマリアージュ(組み合わせ)に例えて、ペルソナとポジショニングマップのツール紹介をし、マリアージにあたるコンテクストをカスタマージャーニーマップを使うことをお話いただきました。最後に「UX Recipe も紹介いただきました。ありがとうございます (笑)

クライアントの満足を引き出す、コミュニケーション術

by 田口さん (デスクトップワークス)

コース料理でいうメインディッシュ前の3番目になった田口さんです。schoo (スクー) などの公式チャンネルでも発信し続けている田口さんの講演は、参加者にも登壇してもらう新しい形式 (なぞ) を採用し、会場にいた伴さんとふたりで登壇するという新しい講演になりました。冒頭だけ動画が公開されています。ちょいちょい阿部さんのオマージュで使われた (?) 矢沢永吉のキャプチャが印象に残っています。

Webディレクションにおけるコミュニケーションについて解説いただいたのですが、日本の旅館と海外のホテルのサービスを比較し、日本の旅館にみる「おせっかいなおもてなしのほうが有効ではないか」という持論を展開しました。この場合のおせっかいとは、多少の打たれ強さを兼ね備えた常に攻めの姿勢で取り組むことを指しているのだと思います。

個人的にも、ディレクションをする人は何もしなくても平気な人より少し心配性の人のほうがうまくいくと思っていますが、その一方で常に受け身よりも能動的に動ける人のほうがいいわけなので、都合のいいバランスが難しいところです。

検索エンジンで1位をとるために必要なたった一つの考え方

by 松尾さん (ウェブライダー)

アカペラの歌(リズム)で登場した松尾さんの講演はいつもにも増して聞き手を惹きつける効果がありました。自身が取り組んだ事例をもとに、どのようにSEOで上位ランキングを実現したかの開発秘話をお話いただきました。ライティングに心血をそそぐ松尾さんならではの言葉の定義がいくつか出てくるので勉強になります。

論理とは、ある事柄と別の事柄をつなぐ架け橋である

その事例において、医療系ジャンルでビッグワードにあたる病名などにヒットするその理由は、利用者をいかに理解したかにかかってるというお話だったと思います。利用者がどういう思いで検索しているか、どういうふうに役立たせようとしているかなど。その中でとくに重要だと思ったのが、医療業界に限らず専門的であればあるほどふつうの人には伝わらないということです。

今回は「マンドリル」発言はなかったのですが、そのSEO対策における共感を生むコンテンツの開発には、非常に地道であり泥臭いのですが、細部まで血の通ったライティングから生まれてくることが理解できました。

カスタマージャーニーにおけるUXとモバイル設計のポイント

by 坂本 (ネットイヤーグループ)

今回ももちろん流れ的に矢沢永吉のオマージュは忘れずに仕込んだわけですが、最近取り組んだスケジュールアプリの事例をお話しました。そこで経験したカスタマージャーニーマップに可視化することで見えてくる課題に着目し、そのためにはユーザーフローとシステムフローとを理解することがポイントになることをお話しました。例として Think of Google で見ることのできる世界規模の GA の集計値 (規模・ジャンル・地域) をもとにしたカスタマージャーニーや、UX Archive にみるデザインパターンを紹介しました。

また、ワークショップなどで取り組むジャーニーマップについてお話し、ワークショップ後に必要になるデジタル化について Post-It Plus を引き合いに出し、効率よくジャーニー化を試すうえで自社開発中の UX Recipe の紹介をさせていただきました。拡散と収束に見られるように、われわれのワークに必要なツールと課題とを並べて、これからのデザインの取り組み方を示した感じです。

企画 & 提案アプローチの極意 for Web Diretors!

by 中川さん (アンティー・ファクトリー)

中川さんからはアートディレクター視点で、エモーションとロジックについてお話いただきました。例として見せていただいた Apple Watch の発売日前から以降のビデオによる訴求点の違いは一目瞭然でした。この動画を探そうと思ったのですが見つけられませんでした。

発売日以前
どういうシーンで、どういう魅力があるのか、製品説明を重視
発売日直前
軽快な音楽とともに製品のデザイン性だけを強調
発売日以降
製品が生活に溶け込んだ映画のワンシーンのような静かな音楽だけ

感情に訴えるアプローチの違いを、エモーションとロジックでご説明いただき、最後に「すきやばし次郎」の品目から伝わるストーリーとそこから見える演出といったものまでお話いただきました。ちょうど夕刻だったため、寿司が食べたくなりおかお腹が空きました…。

懇親会ツアー

福井に来たからには、ということで秋吉・岩ちゃんラーメン・ジェイクのツアーになりました。

秋吉

秋吉では、のっけから100本以上を注文するという荒業をこなすことができました (動画)。

テーブルには置けきれないほどの山のように串が積もり、なぜか行きの電車でしりとりをしたという話をネタに、全員で大人しりとりをはじめるという…(なぞ) うるさすぎるとはじめて店員にも注意を受ける始末。かなりうるさい団体だったと思います。

秋吉

岩ちゃんラーメン

そのあと、念願の岩ちゃんラーメンを20名くらいで奇襲したうえ、昨年一杯を何人かで分け合った伝説を生んだ岩ちゃんラーメンをようやく一杯分完食することができました。いやあ辛かった。

松尾さんも感激して大将にいろいろと質問をし、「岩ちゃんラーメンは三大ラーメンですよ」と言ったら微笑んでくれた光景が妙にうれしかったです。

岩ちゃんラーメン

ジェイク

そして最後に伝説のジャムセッションを生んだ「ジェイク」で、またもトライアングル担当に。普段つかっていないらしくマドラーで演奏するという… (汗)。

あいかわらずピアノを上手に演奏する松尾さんに、ドラマーとして田口さん、その田口さんの登壇に参加した伴さんがギターという不思議な組み合わせで即興演奏 (動画) をし、山森さんボーカルの「未来予想図」を演奏し、いつもお世話になっているジェイクのオーナーのシンジさんとノノカさんの新曲で感動し、中尾さんの「I Love You」を演奏 (動画) し、ノノカさんといっしょに「卒業写真」も演奏しました (動画)。

最後に松尾さんとシンジ&ノノカといっしょに撮った写真は、まるでコンサート終了後のバンドメンバーのようで (なぞ) ありがとうございました。

ジェイク

たしかそのあともう一件行き、バーで真面目な話からヘンな話をしていたと思います。パンツ企画を熱心に語る女子と妄想しまくりの中川さん、あとミッキーマウスと… (遠い目) 「イクジャーニー」だけ覚えているのですが、どういう文脈で話していたかは思い出せません (汗)。

「車で帰ります」という女子をみんなでパーキングエリアまで送り、フェニックス福井 (ホテル) に戻りましたとさ。

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毎日一枚付箋に絵を描く #sticky50

Angler

毎日一枚付箋に何かを描いて「#sticky50」というハッシュタグをつけて共有する

ただそれだけの取り組みだったわけですが、それだけでも続けるという行為の難しさや大変さを経験することができました。とりあえず50枚という節目に到達したのでブログにも書いておこうと思います。

8月はじめにヤスヒサさんこの投稿でスタートし、いろいろな人がハッシュタグをつけて共有するのを目にしました。ちょうどその頃バタバタしていて結局ボクは1週間ほど遅れで参加することにしました。昔から「絵を描くこと」は好きだったので、とりあえず続けられるかどうかわからないけど、やってみようという軽い気持ちがキッカケです。

よしぱんさんのブログ「1日1付箋を50日続ける#sticky50に参加してみます。」がわかりやすかったので引用させていただきます。ちなみに社内でも共有して何名か参加してくれました。

  • 毎日1枚付箋に何かを書いてハッシュタグ#sticky50をつけて共有
  • 内容も自由、絵でも字でもスクリプトでも切り絵でもOK
  • 参加表明も不要

内容は自由」なので、人によりいろいろな付箋が毎日投稿されていくのが楽しみになりました。文字だけの標語だったりストーリーがあったり、ジャケ写の模写だったり精密な写生だったり、個人的には元気がもらえるイラストがとても印象的でした。時間帯も朝方の人や夜方の人など、さまざまです。

共有方法としては、はじめ Instagram に投稿して Twitter にも共有するようにしていたのですが、Twitter に共有すると写真が表示されず URL だけになってしまったので、途中から Twitter のほうにも個別に投稿するようになりました。あとログも兼ねて、PinterestFlipboard のほうにも投稿していたりします。

描く絵のスタイル変遷

描きはじめから描き終えるまで、いろいろなスタイルの絵を描くことができました。

Follow Takashi Sakamoto’s board #sticky50 on Pinterest.

はじめのころはサインペンで袋文字をつけたスタイルで統一して描いていました。一日で起きたことがテーマにしており、この頃のものでは10枚目の「十割蕎麦」が個人的にはお気に入りです。

転機になったのが12枚目の「BIRDMAN」です。モチーフ自体を黒く塗るスタイルはこれがはじめてで、サインペンで描いたあとに背景をCOPICの筆ペンで描いたのですが、これがどうも好みに合っていたようです。13枚目以降、ほぼCOPICの筆ペンだけでモチーフを黒で塗りつぶしています。

17枚目の「ぐるぐる華」でぐるぐる巻きの螺旋を描いているのですが、これも十割蕎麦の成功体験からきています。そして18枚目の「手と手を合わせて…」では水墨画や仏教画に興味を持ち始めてしまい妙にそれっぽいのを描いてい
たりします。その流れで描いた24枚目「小舟漕いで…」はかなり意識しています。

26枚目に水墨画を脱しようとして対象を大きく描いたものの失敗に終わり、27枚目に見事にモチーフを小さく描くスタイルに戻っています。侍のシルエットで描いた「こういうときは素振り」は自分としてモヤモヤを振り切るイメージで描いています。これもかなり気に入っています。

28枚目の「どこか飛んで行きたい願望」から、日付を絵の一部に含めてみようと試みています。単純な番号だけにしとけばよかったのですが、日付にしてしまったので絵の構成上どうも邪魔だということで。また、モチーフが黒というのを脱しようとして31枚目の「とりいそぎ」は線だけで描いています。34枚目「人波」から36枚目「ドローン」までは黒で塗らないスタイルを引きずっています。

2回目の転機になったのが、37枚目の「人生綱渡りでござい」です。黒で塗りつぶさない方向を飛躍させて、いっそ描かないで表現してみようと試みています。付箋を折ってみたのは単なる思いつきですが、これが個人的にはハマってしまい面白いということになり、38枚目以降で縦に折ったり山にしたり谷にしたりしています。

その中で個人的に一番のヒットは、41枚目の「Angler」です。釣り人を描いたものですが、ちょうど付箋を折ったところが海面にも見えて、シルエットの人が立ってるように浮き出て見えて錯覚します。42枚目以降は、そうした影で描くことに挑戦していたりします。43枚目や44枚目などは影で奥行きを表現しています。

終盤の47枚目「ただ見方を…」は違った見方で見れるようなものを考えていました。横顔が向き合っているわけですが等高線のように表現しています。それで次が「変幻自在」として表し、49枚目「ナツダ」は「ラクダ」と「夏だ」をかけて溶けている感じにしています。

最後の50枚目「ごじゅう酉」は「50」を表現しようと「手のひら」をモチーフに、女性と男性が向き合って見えるトリックアートに挑戦しています。付箋を折るだけだと飽きたらず、ぐしゃぐしゃに丸めて立体感を出してみたりしました。

一番のヒット作品

#sticky50 41/50 Angler

Takashi Sakamotoさん(@bookslope)が投稿した写真 –

内なる創作意欲と向き合う

この取り組みを通じて、自分の内にある創作意欲と向き合うことができました。描く絵のスタイルがどんどん変わっていってるのもその表れだと思います。普通に描くだけだと自分が飽きてしまう。途中から黒で塗りつぶすだけがイヤになり線だけにしたり付箋を折ったりして陰影で遊んでいるのが妙に面白く感じてしまいました。

自分が好きな絵と嫌いな絵もハッキリしてきます。多分ボクはシンボル的な絵がとても好きで、かつ余白や空間を使ったものが好きみたいです。

ちなみに、ほぼすべてに共通するシルエットは、ウェブで検索して真似して描いているだけです。そこからオリジナリティを表現する「何か」を工夫して仕上げています。平均15分くらいで描いていたように思いますが、基本的に下書きは描かず筆ペンでいきなり描くので失敗も多くありました。その過程で不採用になったのものもいくつかあります。

毎日続けることの難しさ

あいにく毎日欠かさずにはできなかったのですが、まわりからのコメントがとても励みになります。「いいね!」もそうですが、たったひと言でもコメントがあるとうれしい気持ちになります。続けていくうえではやはりこうしたフィードバックが大切なことを身にしみて理解できました。

ハッシュタグでほかの方の付箋も見れるので、よく目にする付箋で好きな絵や刺激を受けたものには積極的にコメントもするようになりました。こうして横のつながりもできていくような気がします。励まし合ってとは言いすぎですが、仲間意識を感じる取り組みにもなりました。

今後の取り組み

50枚を描いたことで、こうした気づきを得ることができたのは、とてもいい刺激になりました。やはり口だけではなく自分で手を動かすことでしか得られない気づきは大切です。また、毎日楽しみにしてくれる方もいるので続けられる範囲で自分なりに続けてみようと思います。「#sticky50」は終了し「#sticky100」とかでしてみましょうかね。

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UI/UX Study w/OHAKO, Inc.

UI/UX Study w/OHAKO

9月4日 (金)、ネットイヤーグループのUI/UX勉強会に、オハコのUXデザイナーの折井優貴夫さんとiOSエンジニアの甲斐啓真さんをお招きしました。

折井さんとは、TimeTicket [タイムチケット] サービスでお話した経緯があり、彼のブログもたいへん興味深い内容で以前から何度か拝見しておりました。また、オハコのブログ「UI/UX JAPAN – UIデザイン・UXデザインのいろいろを発信するブログメディア」でもUIやUXについての記事がたくさんあります。

見えるユーザーと見えないユーザー

はじめに、UXデザイナーの折井さんのほうからスマホのゲームアプリ事例についてお話いただきました。その中でたいへん面白かったのが、見えないユーザーを整理するために取り組まれたペルソナの開発です。つまり見えないユーザー(潜在顧客)をどのように定義するのかというお話です。

そこでご紹介いただいた開発の流れをかんたんに整理してみたいと思います。

  • これまでの調査からは特長が見当たらなかった。
  • 特長がないことを特長してとらえ「一般女性」を定義した。
  • 定義するにあたり、一般女性の生い立ちを「ペルソナツリー」で整理した。
  • 人生における分岐点を、高校時代・大学時代などに置いて、非一般と明確に分けた。

ペルソナ開発の流れ

特長が分かれば、一般ユーザーとの差異を見つけることにつながりますが、ここではその「一般ユーザー」を定義したことになります。その定義の方法として「ペルソナツリー」を用いて、ターゲットユーザーの生い立ちや人生における特長を一般とそうでない人とに分けてし、そのターニングポイントなった事象(たとえば、大学デビューするとか)を調べて「一般」としてとらえることのできる差異を洗い出していくというものです。

ペルソナツリーというのはボクもはじめて聞きましたが、なぜそのペルソナになったのかを時系列ごとにペルソナを作って整理していくことのようで、情報がない中でペルソナを理解するためには面白い手法だと思いました。結果としては、その定義されたペルソナ「一般女性」に該当するユーザーにプロトタイピングを触ってもらいテストをしたということですので、ペルソナ開発からプロトタイピングテストの実施の流れは非常に参考になりました。

また、テスト結果を含めたガイド(ドキュメント)にもそのペルソナを使ったコメントなどを追加してわかりやすい工夫をされたそうです。このガイド作成がデザインという行為を表していると折井さんもおっしゃっていましたが、個人的にもガイドラインを作成することで、そのシステムに必要なプロセスやタスクの順番が理解できた過去もあったので、このあたりは非常に腑に落ちました。

インタラクションデザインとは

次に、iOSエンジニアの甲斐さんから自身の経験とインタラクションデザインについてお話いただきました。慶應義塾大学のSFC研究所在籍時に携わったスマホアプリ「engraph」での開発背景や、JSで実装したロック解除のデモを見せていただきました。

その中で、とくに興味深かったのが自身が実装した「ジョブセンスlite」の事例です。いわゆる Tinder 風 UI のインタラクションを実装したもので、フリック操作でカードを左右に振り分けることができます。Tinder は出会い系なので対象は人ですが、この場合は求人情報を左右に振り分けていくようです。ちょうど同じような提案を昨年検討していたことを思い出しました (汗)。細部については、カードの傾き具合に合わせてイラストも変化するといった工夫もあり、振り分ける行為自体を利用者が楽しめるようにしていました。

like Tinder style
like tinder style [Animation] by suskey

インタラクションとは態度である」として、コンピュータと人間とのやりとりも、人間同士と同じような態度で望むべきと考える彼の姿勢も共感するところができました。

こうした細部の工夫については、実際に作ってみてから考えられたことで(エンジニアの裁量とでも言いましょうか)はじめから設計されていたことではないという点が興味深かったです。そのため、彼曰く細部まで指示があるほうが逆にやりにくく自由な発想が持てる環境のほうが取り組みやすいとおっしゃっていました。このあたり(体制とディレクション)は、デザインに取り組むうえで必ず出てくる課題なので、いろいろと考えさせられました。内製であればいいという直感もありますが、外部からディレクションをしなければいけない場合もあるというのが正直なところです。

最後に、彼が最近気になっているというリアルタイムで実装するツールのコンセプト (?) の記事「Modern Design Tools: Using Real Data — Design Insights from Bridge」を紹介していただきました。

まとめ

折井さんもおっしゃっていましたが「人間観察と洞察により、定性的な視点を普段から磨くこと」がこうした開発には有効に働くという点がとても印象的でした。もちろん定量的なデータを判断材料に使うことはありますが、そうした定量データも、仮説と意味付けによりどのように活用できるかが変わってきます。

今回おふたりにお話していただきましたが、環境や体制、そしてスキルが違う中で、自分たちであればどのように取り組むことができるのかを再確認しまた考える機会につながりました。

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Small IA さみっちょ #smallia

Small IA さみっちょ

8月21日 (金)「Small IA さみっちょ」というイベントを開催しました。最近は「IA」を冠にしたイベントも少なくなり「UX」しかほぼ見なくなったわけですが、そんな中でワイヤーフレームについて掘り下げた中身の濃い議論を、集まっていただいた30名近くの参加者と飲みながらできました。

主催は、以前に東北セミボラでご一緒した、ツルカメの森田さん・インテリジェントネットの和田さん・グッドパッチの村越さんとボクで、グラレコを DeNA の和波さんにお手伝いいただきました。場所は、目黒にあるワンパクさんのオフィスをお借りしました。阿部さんが大阪出張で会えず終いで残念でしたが、ワンパクのスタッフさんにもいろいろとご協力いただき無事開催することができました。

記憶のあるうちに感想を交えて振り返ってみたいと思います。

会場風景

Small IA 宣言

by 森田雄@ツルカメ

はじめに、今回の主旨としての「Small IA」について紹介するとともに、どのように我々は取り組んでいくべきかについて森田さんよりお話いただきました。「IA」は「情報アーキテクチャ」を指しますが、海外カンファレンスなどであった「Big IA vs Little IA」であったようなことも踏まえて、もう一度ワイヤーフレームなどに焦点をあてようというものです。

小は大を兼ねるが、大は小を兼ねない」という森田さんのセリフはとても印象に残ります。積み上げた経験でより大きなことはできるが、はじめから大きなことはできないというものです。そのため、口先だけのコンサルではなくプロジェクトを推進する原動力になろうというメッセージはとても共感できる内容でした。宣言にある一部を転載しておきます。

Small IA の主要業務とは、一般には Web ディレクター的な役割の人が担うものとされており、具体的なタスクはワイヤーの作成やコミュニケーションの設計などとなります。それは、事業の最初やら企画やら何やら上流設計からプロジェクトの終端たる実装実務の最後まで、全関係者においての仕様の拠り所となるいわゆるワイヤーを、ゼロから作り出し管理し共有し検証していく崇高なものであります。仕様の拠り所たるワイヤーを根拠にコミュニケーションロスをなくしプロジェクトを円滑に進め高品質の証左を作り出す替え難いものなのであります。

以前ブログに書かれた「僕は生涯Small IAでいい」とか「small IA manifesto」も合わせて読めばいいかも知れません (なぞ)。

Big IA が有名な会社の Small IA

by ゆいぴょん@コンセント

ゆいぴょんからは実体験を踏まえた個人的な意見として「ビジネスの立場に近い IA vs UI に近い立場の IA」という視点でお話いただきました。この2つの側面は、ワイヤーフレームだけの話でもなく概要設計と詳細設計という大規模開発に必要な側面としてもご説明いただきました。彼女自身が UI に近い立場の IA ということで、日々実践している Rapid Design と Rapid Markup をその場で実演までしていただきました。

上流工程と下流工程とで起きる問題については、そのタスクにおける当事者(そのタスクの責任)が決まっていないからではないか (?) という役割分担の話として聞くことができました。また、そのときにどの程度まで掘り下げておく必要があるのかによっても成果物のレベルも変わると思うので、背景をもう少し聞いてみたかったです。

コンテンツ企画とページ設計の境界線はどこにあるのか?

by 足立さん@イントリックス

足立さんからは、サイト単位ではなくページ単位において「企画・アナリスト vs 設計・IA」とのやりとりについてお話いただきました。ある事例で、企画時に考えられた2カラムのレイアウトを、設計段階で1カラムに変えることになったという経緯です。これは分業が進むとよくある課題だと思いました。ボクの近くでも同じようなことはよくあります。

この問題も、基本的にはどの時点でどこまで決められているのか、が明確になっていれば良いように思いました。企画時にデザイン経験者がデザインしていないこと、企画意図が正しく伝達されなかったことが問題のように見えますが、個人的には企画意図としての2カラムを設計担当のデザイナーがうまく表現できなかったスキルの問題ではないかとも思いました。

Small IA よもやま話

by 吉岡くん@リクルードジョブズ

元同僚だった吉岡くんからは、彼の IA としての経験の変遷が見れて、IA や Web 界隈の歴史を感じる内容でした。とくに興味深かったのが、彼がディレクションから IA となり、現在プランナーに至る過程で身につけたタスクです。

GREE 時代には定量的評価の側面ばかりに目をやっていた経緯から、現在は定性的評価の側面も取り入れて進行している点。ワイヤーフレームはデザイナーに託しご自身ではプロジェクト設計をしている点。現在彼がプランナーという肩書で取り組んでいることがよくよくわかりました。狩野分析法は、今度ボクも試してみようと思います。

ワイヤーフレームのツール・定義問題

ワイヤーフレームの書き方
和田さんがモデレータになり、発起人でもある森田さん・村越さん・坂本とでパネルディスカッションをしました。テーマは、ワイヤーフレームのツールについてとワイヤーフレームの定義についてです。

ワイヤーフレームのツールについては、パネラー自ら作業したワイヤーフレームのサンプルを用意していましたのでそれを見ながらできました。その場で話しましたが、やはり業務上 Microsoft PowerPoint が多いのは否めません。とくに複数人で共同作業をする場合、クライアントも編集したい場合などがあるため、Office 製品はよく使うツールだと思います。

共同作業ではない場合やツールの指定がある場合などでは、専門ツールを使うことがあります。ボクの紹介したサンプルでは、AxureBalsamiqJustinmindInVisionUXPin などです。結局は、コミュニケーション力を高める目的で使うため、いつ・誰に・どのように説明するものなのかにより使い分けている格好です。

ワイヤーフレームの定義の話題では「優先順位を書く」という森田さんの説明が簡潔明瞭なことだと思います。ただし、プロジェクトを推進するためのタスクと体制が直接的に関係することだと思います。個人的には、グラフィックデザインを学んだ背景があるため、デザイン工程が効率よく進むよう企画意図をレイアウトにまで反映したものをつくることが多いです。

たとえば、デザイン工程が効率よく進められるためには、テキスト抽出がひとつの選定基準だったりします。そのため、Cacoo や Balsamiq よりも Justinmind や Axure などの HTML 書き出しまでできるほうが便利です。また、ユーザーテストなどする場合を想定して、テストモードのようにコメントが画面に記入できるものも増えました。

Small IA スキルとキャリア問題

イベント終了後の飲み屋で和田さんらと話したことですが、こうした Small IA の経験とキャリアの話があります。たとえばワイヤーフレームの量産ともなればやはり何十や何百ページを相手にする場合もありますが、それをこなすことが今後のキャリアにつながるのかという疑問があります。

最近では、はじめから「IA」という肩書きではじめる方もいるかも知れませんが、そこははじめの宣言にもあったように、経験値の積み上げで取り組んでいくしかないかなと思います。ボクの場合は、もともとデザイナーだったこともあり、そうした経験を活かして IA タスクをしているというのが正しい見方だと思いますし。

そのため「量産だけをしている場合には、IAの専門スキルは身につかない」というのがボクの率直な感想です。どちらかというと、より経験値の多い先輩といっしょに意見交換をして進めることや、質問や疑問を勉強会などで発信するといったことがなければ難しいという言い方になると思います。

また、そのせいで徹夜をしたりといったことがボクも経験ありますが、それだけではやはり心身ともに疲弊するだけであって、ソフトウェアの習得には役立つと思いますが、IA スキルが身につくかというと難しいと思います。

グラレコ

総括

はじめから参加者もいっしょに飲みながらしたことにも助けられて (なぞ)、カジュアルな進行管理にも関わらず、とても白熱した議論やディスカッションができました。

参加者の中には、経験豊富な方から事業会社の方、制作・開発には関わっていないが関心のある方など、実にさまざまな立場の方も参加いただきました。時間の関係で終了後に皆さんと懇親会というふうにはいきませんでしたが、「IA」をテーマにしたイベントは冒頭にも書いたとおり最近では少なくなってきているため、とても貴重な機会になったと思います。

また、こういったイベント開催やコミュニティ運営はとてもたいへんな面がありますが、発起人を中心に協力ができ無事に終えることができてホッとしています。今後もこうした活動を通じて、自分たちの仕事や社会貢献にも通じる取り組みができればと思います。次回もどこかで企画したいと思います。

関係者のブログ

集合写真

P.S. 「Small IA」を略して「スモーリア」と呼ぶようです。

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UX Talkshow and discussions #tocolabo

2015年8月8日に、クリーク・アンド・リバー社主催のイベント「と、コラボ特別編 – UXってなんなのさ (仮)」に参加してきました。UXをテーマに参加者からの質問に答えていくという座談会形式で、ブログ「could」でおなじみの長谷川恭久さんといっしょに登壇しました。

UXの語感」でソシオメディアの上野さんが整理されているように、現在UXという言葉の解釈にはいろいろとあるようです。そこで、UXについて参加者の質問に二人で答えるだけの形式にしてみてはどうか、とC&Rで司会の篠崎さんといっしょに企画し実現することができました。

イベント風景 オープニング

プレゼンだけだとどうしても話し手と聞き手に分かれてしまうこともあり、本当に聞きたかったことが聞けないといったこともあると思うので、今回は参加者からの質問をベースにいっしょに考える会という感じにして、やりとりはグラレコを通じて参加者にも可視化できる工夫をしました。グラレコは毎度お世話になっている和田さんにご協力いただきました。

前提

自己紹介でもお話したとおり、個人的にはUXという言葉がどうであれ「自分の手元で起きていることが重要」というスタンスなので、そうした観点でUXを手元で具体化する研究開発中の「UX Recipe」についても少し触れました。

ヤスヒサさんからは、UXをとりまく現況について触れてもらい、2、3カ月で使ったツールを並べてもらいました。そうすると、いかにさまざまな領域に関わっているのかをすぐに理解でき、デザインの概念図においても広い範囲をUXが指していることを参加者と改めて共有することができました。

UI/UX Designer

UX / UI Designer?

わかりやすい例で、LinkedIn で「UI/UX Designer」が含まれる求人数が、2008年で159あったものが2014年には3,509にも膨れ上がっているという現状があります。それだけニーズが増えており雇用にも関係しているという反面、募集要項を見ていくと一体何をするのかわからない例も多々あるようです。

いっそ「UI/UX」という表示があれば消すようなプラグインがあればいいのではないか (?) と話しましたが、それをつけるだけで先入観を持たれ、それをつけることで定義の話題になったりするのが、まさにいまの現状だと思います。

さらに「おもてなし」のニュアンスについてや「デザインは透明であるべき?」ということについてディスカッションをしました。個人的には「すべてはコミュニケーションだと考えるため、デザインも相手がいることによって成り立つ活動」だと話しました。そこには作り手である自分の意思が必要だと思います。

質問と回答

その場で参加者からの質問に答えた一部を抜粋してみます。

Q. UXとUIって一言で言うと、どう違うのか?
デザインとは仕組みをつくることだと思うので、UXは利用における仕組みをつくること、UIはインターフェースの仕組みをつくることだ言えるのではないでしょうか。求人募集でよく併記されてる理由はとくになく、そのほうが新しいとかカッコイイとかSEO的ニュアンスのほうが勝っている気がします。
Q. UXに関わる方は、ご自身のポートフォリオに何を載せるのか?
企画書の抜粋でいいのではないでしょうか。プロセスにおける途中成果物にならざるを得ないと思いますし。役割や体制として自分がどのように関わったのか、とくにプロセスが体系化されていること、どう作ったのかストーリーで話せると思います。
Q. UXを測るということについて、そもそも必要か、何をどう測ればよいか?
「UXを測る」という言葉が何か新しいことのように思っている気がしますが、目的達成のための数値目標だと考えればもちろん必要ですし、そこでの仮説や意味付けには、目的達成におけるストーリーが必要になってくると思います。
Q. UXは数値化できますか?
UXと呼んでいるストーリーに関係する数値の組み合わせはできると思います。なので1つだけ見ればいいということではなく、ストーリーに関係する数値を見つけることが大切になるかと思います。そのためには、エコシステムで捉える視点が大事になります。
Q. UXやIAを社内で浸透させる方法は?
社内のコミュニケーションプラットフォームを活用し情報発信をしていくことが第一歩だと思います。ただし目的として、全員が知っている状態を目指すのか、仕事に組み込まれている状態を目指すのかによりアプローチも変わってくると思います。

疑問の本質

今回、イベントの参加者にあらかじめ質問を用意していただいたおかげで、より聞きたいことや知りたいことが浮き彫りになった気がしました。

  • UI/UXの定義問題
  • UI/UXと併記されていることに対する疑問
  • UXメトリクスといった測定に関する疑問
  • 社内や顧客への浸透問題

というように、非常に基本的な事柄でさえも疑問が生じる状況は「自分に一番近いところでさえ理解されていない現状」として伺えます。言葉の定義もそうですが「なぜそれをする必要があるのか?」に対して明確な答えを皆が求めているようにも思えました。逆にいうと、その答えを「UX」という言葉に課せて(担わせて?)表現しようとしているようにも思えました。

ボクから「UXとは、定性的なインプットを得て、定性的な情報で進め、定性的なアウトプットを得る」と話したのは、まさにその答えの部分には定性的かつ不確実性の高い表現にしかならないということと、定量的な数値的なデータも、仮説・意味づけして定性的に置き換えることができるとお話をしたのは、そうした「UX」という表現に惑わされず目的を見定めるうえで必要なことを進めるだけということをお話しました。

また、ヤスヒサさんから「UXとは、知ってるつもりをなくす」という表現でお話されていましたが、皆が「こうだろう (仮説)」だけで終わらないようにし、試行錯誤をして進めて共有する、そういう姿勢こそが大事だということを教わりました。

ポッドキャスティングとの連動

ヤスヒサさんのポッドキャスト「Automagic」では、質問に対する回答も一部配信されています。合わせてお聞きください。

また、彼のブログ「could」でも今回のイベントについて取り上げていただいています。

当日は、CSS Nite鷹野さんもご参加いただき、非常に緊張感のあるイベントでした (笑) ちなみに写真はいずれも鷹野さんの写真を使わせていただいています。

今回のイベントは、終始UXについて話していたと思います。ただし、一方的に話すというよりも本質的な自分との関わりについて参加者とやりとりできたと思います。個人的にもとても貴重な経験になりました。

企画いただき運営いただいたクリーク・アンド・リバー社の皆さん、そしてヤスヒサさん、参加いただいた皆さん本当にありがとうございました。

#tocolabo イベント風景

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