15 Lessons on Netyear as IA/UX Designer

Flower

本日、7月31日をもって15年間在籍したネットイヤーグループを退職することになりました。

2002年に、所属していた制作会社が吸収され移籍したときから、渋谷・溜池・銀座と場所は変わりましたが、同じ空間を共有してきたことを思うと、大変感慨深いです。

このあまりにも長い時間を思うと、ブログだけで簡潔に表現することは難しいですが、この15年間のネットイヤーグループでの経験を誇りに思い、胸に秘めてこの先前進していきたいと思っています。

本当にありがとうございました。

15 Lessons on Netyear as IA/UX Designer

この15年間で得たことを心得としてまとめてみました。この中の一つでも気に留まるものがあれば幸いです。

#1 output/アウトプットする

アウトプットすること。在籍時には書籍を3冊以上関わることができました。アウトプットしてはじめて行動として見てもらえることを実感することができました。2004年、ボクも外に目を向けこのブログをやり始めたときから大きく変わることができました。〈生きた証〉としてアウトプットを常にしていきたいと思います。

#2 reason/理由を考える

自分がつくったものを説明できるようにしておくこと。これはアートとの違いでも言われていますが、「Why? に Because で説明できなければそれは Design ではない」ということだと思います。説明するために、論拠や科学的な情報を意識しておくことにつながるのだと思います。

#3 inclusion/包含関係を理解する

常に対象の外側も意識すること。目の前の枠の中だけを考えないで、枠の外を眺めるくらいの余裕が肝心です。もしかすると、その枠が問題を見えにくくしているかも知れません。対象(人)ということでも「inclusive design」という言葉があります。そろそろ訳本が発売されるとかしないとか。

#4 co-creation/共創を信じる

共に創ること = 人を信じること。 KAOSPILOT で学んだクリエイティブ・リーダーシップや「CREATIVE AIKIDO」などのフレームワークはそのベースになると思います。同じ議論でも〈拡散と収束〉それぞれにおいても役割があることを踏まえ、人を信頼する場づくりが肝心です。

#5 scope/範囲を決めない

10年前に「ユーザビリティ」として見ていた範囲は、今では「UX」の中のひとつでしかありません。時間(の範囲)や種類(の範囲)など、自ら範囲を狭めて考えてしまってはいないか考える必要があります。また、言葉(定義)は使う人によっても異なるため、自分の線引きだけで判断するのではなく、範囲を広くとらえることが大切です。

#6 process/先を見越す

いわゆるできる人は〈先読み〉に長けていると思います。そのためには、プロセスをしっかり理解し進め方を知っておく必要があります。また、相手は人間ですので、相手が次にどういうことを考えるのか、行動するかを推測することで、スムーズなコミュニケーションが生まれます。これは恋愛でも同じですね。

#7 journey/旅に例える

定量的な結果の数値をピンポイントでとらえることにとどまらず、定性的に広く見直すことで情報量が格段に増えていきます。不確実な状況を理解するためには、ピンポイントではなくストーリー(ジャーニー)にして見ていくことで、すぐには見つけづらいヒントが得られるはずです。

#8 pattern/パターンで見る

物事はすべてパターンで整理していくと理解がしやすくなります。UIのコンポーネントもそうですし、カスタマージャーニー(調査項目など)でも同じです。自分の中にパターンがあることで、複雑な事象にも適用しやすくなります。そうしたパターンを共有することで、ルールとなり前提となっていくことが考えられます。複雑なことや理解しにくことがあれば、まずはパターンで考えることをしてみるといいと思います。

#9 perspective/視座を変えて見る

自分と相手、というだけでも違いがあります。見る視点も違えば視座も違います。そのことを理解することで、相手の立場で考えられるようになります。相手の立場になることで、価値観を共感し共鳴が生まれます。あるひとつの事柄でも、相手の視座で見てみると違ったふうに見えると思います。カスタマージャーニーマップもクライアントの視座で見ると実はほしいのはサービスブループリントだったり言葉が違っている場合もよくあることです。

#10 objective/目的に立ち返る

意外と目的が忘れられがちです。常に目的に立ち返る〈よりどころ〉を持っておくことが大切です。よりどころがあるので自信が持て、迷いが少なくなると思います。組織も同じで、単純な連携であれば個別最適になってしまいますが、全体最適をしたければ全体で共通の目的をつくり、共感できる関係構築が求められます。

#11 context/背景・文脈を見つける

見た目の問題は、見た目だけではなく至った背景や前後の行動を理解することで、本質的な問題に突き当たります。本質的な問題を探ったうえで、はじめて見た目の問題にとりかかるべきだと思います。短期・長期、難易度の高低はあるにせよ、「本当はこうしたかった」とあとで言われるほど、浅い関わりになることは避けたいです。

#12 learn/学びを繰り返す

「教育」と「ファシリテーション」が混合しがちです。プロジェクトにおけるファシリテーションは、先導者がいれば進みますが、全体が動くには、教育が必要となります。もちろん鶏と卵の関係に見える部分もありますが、この2つは、求めるものが変わってくるので、はじめのうちに押さえておくことが重要です。もちろん教育とファシリテーションをお互いにサイクルできる環境が一番有効だと思います。

#13 speculative/問いを考える

デザインを問題解決と呼ぶならば、スペキュラティブは〈問題提起〉ということになります。常に、「答え」を求めるのではなく「問い」を考えることで、推論する癖がつき、仮説を考えられるベースがつくられていきます。仮説から始めて実施し次の仮説で終わる、といったサイクルが描ければ計画はスムーズに進むと考えられます。

#14 culture/価値観をつくる

文化は、価値観(優先順位)を習慣化(決まっていること)していくことで作り上げることができます。文化は個人の意識であり、その集合体が組織の意思につながります。「文化をつくる」のではなく、一人ひとりが何を大切にしているのか優先順位を確認しあうことがもっとも大切です。

#15 thanks/感謝の気持ちを忘れない

最後はどうしたって人が関係してくるのが(会社も含め)社会だと思います。常に、自分以外の人を考えてこそ、社会に生きていく人どうしの礼儀だとも言えます。緒方洪庵いわく「世のため人のため」を第一に考えることで、人どうしの「いたわり」を考えられる人間になるのだと思います。

15 Lessons (English)

15 Lessons (Japanese)

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24 Live Streaming

24 Live Streaming

いたって個人的にではあるのですが、Facebook ライブ配信番組「24 #ニジュウヨン」を開始しました。情報発信するメディアは、このブログのほかにも FacebookTwitter などがありますが、動画配信ははじめてです。

なぜ動画配信をしてみようと思ったのか、理由は2つあります。

  • 技術革新のスピードに合わせると、そのときにしか話せないことがある。
  • テキスト以外でも、自分の考えをストックしておきたい。

といったところでしょうか。昨今、流行っている Snapchat や Instagram の Story (時間が経つと消えるもの)とは全く趣向が違います。どちらかというと、自分の発信の場を増やしてみようという試みです。

ニシムクサムライ

番組名の「24」は、「毎月配信」かつ「なるべく後半」というのもあって、31日がない月を覚える方法「ニシムクサムライ(二・四・六・九・士)」からとっています。自分を侍にみたてて「西向く侍」ですので、「24」は「西」からきていることになります。

ということで、毎月24日、20:04 開始で24分間だけ配信するよう「24」にこだわってみました。とくにこだわったのは、視聴者から見たときにボク(侍)の向きが、左(西)を向いているという点ですね。

トリミング

内容は、特別決めていることはありません。むしろ講義やセミナーをする機会が多いこともあり、それらとは違うアプローチで、とだけ考えています。シンプルに、毎月24日に考えていることを、24分間で切り取るような番組をと考えてみました。

仕事のことや生活のことなど、ジャンルはとくに決めないようにしています。もちろん、ボクの活動を知って見ていただく方もいると思いますので、そのあたりは期待を大きく外さない程度に、で考えています。なのでボク自身もどんな番組になっていくのか楽しみだったりします。

和太鼓

この番組の PV やオープニングに使われている和太鼓の演奏は、香川県在住のデザイナー山田絵理子さんが所属している「和太鼓集団 響屋(おとや)」によるものです。Youtube でも見れるのでぜひご視聴ください。

それに合わせて、一人で話していることもあり、相槌として和太鼓の音「ドンドン」や掛け声「ハッ」などを入れたりしています。注意深く聞いていただくと気づくと思います。

ツール

番組内のイラストは、iPad Pro のアプリ「Procreate」を使って Apple Pencil で描いてます。これは couldヤスヒサさんに教えてもらいました。

また、収録しているのはデスクトップワークス田口さんのスタジオをお借りしています。今回ライブ配信をするにあたり、多大なお力添えをいただきました(多謝)。

インスパイア

便利な言葉があります。この番組を考えたとき、ひとりだけの精神世界を表現しようと思いました。さしずめ「一人ごっつ」や陶芸家のような世界観を持ってきました。

もちろん自分がするので、そこには言葉を練り込んだデザイン論ということにはなるんでしょうけど、精神世界だけに、番組に出てくる文字情報はグラレコではなく写経ですし、話す話題も最近の業界ニュースではありますが、世間話風にいわゆる落語にしようとしています。

奇しくも第二回は、京都でイベントがあったので急遽スタジオ収録ではなく、ライブ中継になってしまい完全に漫談になってしまいましたが…。

アーカイブ

第一回は、すでに5月24日に配信しており、第二回も先月6月24日に配信しています。後からでも参照できるよう Youtube のほうにもあげています。

今月も、7月24日 20:04 に配信します。ぜひご覧ください。

チャンネル

ついでなので、現在のチャンネルを整理してみよう。

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UX as Culture in Kyoto

AI Thinking Seminar

2017年6月24日に、京都で『文化としてのUX』イベントを開催しました。書籍『UX x Biz Book』のスピンアウトセミナーということで、共著者のインフォバーン京都オフィス井登さんと登壇させていただきました。奇しくもメンバーズの原さんやエクスペリエンスの橘さんまでお越しいただき特別な一日になりました。

会場となった「京都月と」は、もともとクライアントだった方がオーナーとなりリノベーションをした建物で、古き良き日本を思わせる京町家(京都左京区)にあります。そのオーナーと親しかったメンバーズの山藤さんが司会で、着付師の瑞香さんのコーディネートで、運営者全員が着物姿という異色のイベントとなりました。

デザイン意識の欠如

ボクのほうからは「デザイン意識の欠如」というお話しをしました。デザインに関わる範囲において、チームやクライアントなどとのコミュニケーション上よくある「意識の違い」にフォーカスをあて、漠然とした「文化」について自らの解釈を含めてお話しました。

「文化」と聞くと漠然としたイメージだけが先行してしまい、勝手に作られるものみたいな印象があるのですが、本当にそうなのでしょうか。自分の近いところに「文化」を分解してみると「個人の意思」やその背景や価値観といったことに置き換わると思います。

  • 文化は表層的であり、掴みどころのないもののように感じる
  • 文化とは、行動の前提であり個人の潜在的な意思に値する
  • 背景(文脈)の違いによる、意思疎通の難しさをギャップに例える
  • 「ギャップしりとり(ジェスチャーパス)」で、他人とのコミュニケーションを体験
  • 個人の意思を「発信・提案/有志・連携/コミュニティ」をもって育む
  • クリエイティブ合気道」により、許容する・受け入れる・力に変える・提供する
  • 文化とは人の意思であり「愛」が含まれている

良質なUXって一体なんなんだ?

良質なUXって一体なんなんだ?

インフォバーン京都オフィス井登友一さんからは「UXの価値・意味・人間中心主義からの脱却による価値の捉え方」というセッションをしていただきました。その中でもっとも興味深かったのが、書籍『闘争としてのサービスデザイン』にある、顧客と提供者とのポジショニングが上下ではなく対等にしていくことが重要だという話がありました。

また、京都大学の川上先生により研究されている「不便益」についても教えていただきました。効率化だけがいい体験ではなく、あえて不便にする(手間をかける)ことで生じる体験を、新しい価値として捉え直す視点がとても興味深かかったです。

  • 「UX」とはユーザーの体験を「どうすることか?」
  • 心地よい効率化だけが、いい体験ではない
  • 「不便益」のように、あえて非合理なところに新しい価値がある
  • 「闘争としてのサービスデザイン」により、提供者と受け手の位置関係
  • 主客が一体化するところに、デザインはある
  • モード→ファッション→平服→礼服といったサイクルがアパレルにはある
  • 価値は、習慣化されていくところにあり、サステナブルを目指すもの
  • 三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)の近江商人の精神

メロディーにおける文化の変遷

メロディーにおける文化の変遷

京都といえば、Webライダー松尾茂起さんということで、急遽ライトニングトークをお願いしました。貴船神社のテーマ曲『時雫(ときしずく)』まで作ってしまうミュージシャン松尾さんからは「メロディーにおける文化の変遷」をお話しいただきました。

最も印象に残っているのが「音楽→音学」になっているということ。よいメロディーにはパターンがあるが、メロディーではなくリズムやビートに置き換わってきていることで、よいメロディーに触れる機会が少なくなったということ。それを踏まえて、最後に『You X 坂本』という演奏をしていただきました。

  • 「よいメロディー枯渇問題」にみる、よいメロディーのパターン解説
  • 「蛍の光」や「Amazing Grace」などの「ヨナヌキ音階(4・7抜き音階)」
  • 調和がとれたもの = 五の謎(五感、五芒星、陰陽五行説、指、顔の穴)
  • メロディーではなくリズムやビートが主流になってきている
  • 調和のとれたよいメロディーに触れる機会が少なくなった

トークセッション&質疑応答

同じく共著者のメンバーズ川田さんのほうから、セッション中に気になったキーワードを振り返り、参加者の皆さんとでディスカッションをしました。その中で「作り手もユーザーとして考えることは理解できるが、自分とペルソナとの乖離をどう埋めるのか?」という質問がありました。

自分の経験でもこの〈ペルソナなりきり問題〉は、賛否両論あるんですが、とにかくもこういう質問になる場合はたいていデータがない場合が多いので、まずは自分で調べに行くことや、まずは人に聞いてみることをやってみては、という話をしました。100%を考えると身動きがとれなくなるので、とにかく自分以外の話を聞くこと、そこをまず「適当にやってみる」というところから考えてみては、という話をしました。

皆が皆、潤沢な予算の中でリサーチをしているのではなく、予算がない中でも必要だと感じたら自分勝手に(ある意味適当に)動くことで、事実を知り仮説が立てられる素地ができあがるのだと思います。

ライブ配信番組「24 #ニジュウヨン」

懇親会の途中にライブ配信した番組「坂本貴史の『24』第二打 – 2017年6月24日 放送」でもイベントの振り返りをちょこっとだけしています。こちらは Youtube にアーカイブ化されていますのでご覧ください。

着物コーデ

今回のイベントでは、奥ゆかしい京町家の「京都月と」での開催に合わせて、運営者ほぼ全員が着物姿という異例の企画となりました。この着物コーディネートは、会社の後輩で愛弟子にあたる瑞香(淺田瑞子)さんが着付けたもので、ボクと井登さんの着物のセレクトから着付けまで全部していただきました。

写真を見るとよくわかるのですが、ボクはカジュアルな色あせたデニム生地で「浪人」、井登さんは白シャツとコーディネートした「文豪」という雰囲気です。それぞれのタイプを見事に表現していただき、実際に着てとても気に入りました。ちなみに、司会をしていただいた山藤さんは「噺家」といった雰囲気でしたので、まさに三者三様という感じです。

現在は、着付け教室「タマニワきもの」をしているとのことで、もしこの機会に着物に興味を持っていただけたらぜひ着付けを体験してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、今回衣装協力していただいた男性着物は「男の着物 藤木屋」からご提供(レンタル)いただいたものだそうです。

最後に、運営メンバー全員で記念写真を撮りましたとさ。

メンバー集合写真

左奥から、川田氏、自分、脇さん、井登氏、山藤氏、前列右から、着付師の瑞香さん、京町家作事組の森珠恵さん、亭主の山内マヤコさん

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AI Thinking #entermina

AI Thinking Seminar

2017年6月13日に『AIシンキング』特別セミナーを開催し登壇させていただきました。実はこのイベントタイトル「AIシンキング」は造語で、自著『IAシンキング』をもじったものです。

このイベントは『エンタミナ』のスピンオフ版として新たに企画したもので、司会のデスクトップワークス田口真行さんといっしょに、デジマラボ中村健太さんを招いて行いました。ちょうど沖縄でした「CSS Nite in OKINAWA, Vol.9」の懇親会で盛り上がったアイデアで、「昨今の AI の流れをふまえて〈思考〉にフォーカスするイベントをしてみるのはどうだろう」という雑談からはじまり見事に実現に至りました。

機械学習 バブルなこの時代に、僕ら「作り手」が考えるべきこと

AI Thinking? 機械学習バブルなこの時代に、僕ら「作り手」が考えるべきこと

株式会社ビットエー(BITA)の CMO、「デジマラボ」のプロデューサーでもあり執筆者でもある中村健太さんからは、いわゆる「AI」の最新実例とその根底にある〈考えるべきこと〉をお話いただきました。1年前までは「AI」も「bot」もよくわかっていなかったとのことですが、情報メディア「デジマラボ」の発足を機に、情報発信から実績につながり今や「AI」に関する実績を数多くお持ちです。

  • 動いて喋るチャットbot Panasonic 結(ゆい) 設計と開発
  • AIアイドル Twitterハック 設計と開発
  • AI記者による新聞紙面ジャック
  • 勝手に予定調整する「予定調整bot」君
  • 国内初となるAIライターによる記事執筆体制の構築

とくに興味深かったのが、「End-to-End Machine Learning」というアプローチについてです。これまで目的を導くための方程式は、人間が仮説でやってきたが、ディープラーニングではそこを機械が探しだすアプローチということ。したがって、数多くのパターンを試すということが可能になり、人間には難しい処理として期待できるということでした。

実際にされた実績のほとんどは、そうした数多くのパターンから探し出す「予測」に関する事例を紹介いただきました。

  • レコメンドエンジン(画像自動認識)
  • 自然言語解析(FAQチャットbotのフリーテキスト入力対応)
  • 文章生成・整形(AI記者とかAI Twitterbot)
  • 広告の運用(ドールコサベラなどの事例)

インターネット黎明期に似ている」そういう中村さんの言葉の背景には、今「AI」に関しての知識は多ければ多いほどビジネスチャンスにつながる、はじめから課題ありきで考えるのではなく「こんなんできるかも?」といった妄想から新たな価値(フェチノロジー)をつくるチャンスだと力強いメッセージをいただきました。

最後に、AI や機械学習、ディープラーニングやその他の先端技術ありきで『何が可能なのか?』と考えるのではなく「誰の好きを加速させるか」そういう観点を持つことの大切さを教えていただきました。

※フェチノロジーとは、「Fetishism × Technology」を組み合わせた造語です。

※機械学習とは、データを機械に学習させて判別問題や回帰(予測)問題を解けるようにしようぜってアプローチのこと。ディープラーニング(深層学習)はその機械学習の一種。

もう一度見直す情報アーキテクチャ

ボクのセッションでは、まだまだ掴みきれないところがある「AI」というテーマに対し、最近の事例を並べてみながら、改めて「IA(情報アーキテクチャ)」を持ち出して、捉え方や考え方を整理してみました。そのうえで〈超発想〉としての「AI」を疑似体験していただきました。

  • 「AI」は「Articula Intelligence(人工知能)」と訳されるが、IBM の Watson では「Augmented Intelligence(拡張知能)」という表現を使っている。
  • 「AI」は「自ら考える力を備えたコンピューター」と定義することができる。
  • 現在は、「正解が無限の課題」より「規則性が存在する課題」のほうが得意である。
  • 「AI」にも段階がある(エキスパートシステム/機械学習/ディープラーニング/AIが直感で判断)

最近、よく聞く AI 関連のニュースには、自動運転(NVIDIAとトヨタ)、囲碁「AlphaGo」などが多いが、最近では音楽(「2045」AI DJ プロジェクト)やエンターテインメントなどの表現分野にまでおよんでいる。

3つのAIテクノロジー

3つのAIテクノロジー

AIテクノロジーが使われている事例をいくつか並べてみると、3つの分野に分けて見ることができます。

  • 発見・予測: 重要なデータを膨大なデータから見つけ出し、予測ができるようにします。(ビッグデータ)
  • マッチング: レコメンドをより正確にできるようにします。(ECレコメンドや広告出稿)
  • チャット: 自動応答システムを構築します。(チャットボットなど)

紹介した事例を3つに当てはめてご紹介すると、以下のようになります。

超発想か高速化

超発想か高速化

AI は導入すればなんでも解決するというものではありません。AIテクノロジーの活用には、目的はなにか・どういうことを実現したいかという計画が必要です。AI により発見できた結果を、どういう付加価値につながることができるか、意味のある〈つながり〉を見つけることが大切です。

つまり「なぜ(Why?)」を考察するところに、人間としての着眼点が大いにあるとしました。AI の強みと人間ができる範囲とを理解することが最初の一歩になります。そこで、今回は2つのポイントで AI 導入の機会を定義してみました。

  • 「超発想」人間の発想を超えたいのか?
  • 「高速化」人間のすることを高速化したいのか?

そのうえで「AI」が出した結果をどう活用できるのか〈超発想〉を体験いただくワークを実施しました。なかなか自分だけで出てこない〈発想〉を超える体験、いままで考えもつかなかったアイデアを見つけるヒントがみつかったのではないでしょうか。

暦本先生の言葉を借りると「技術は進化していきますが、我々もその技術を使うことでまた進化していきます」そう考えると「AI」を知ることは、結局は自分自身を知ることにもつながるように思いました。AI テクノロジーを考えるよりも、自分自身を見直すことが結果として「AI シンキング」になると思います。

「13」に込めたこだわり

今回のイベントは、自著『IAシンキング』をもじって『AIシンキング』としましたが、いろいろなところに「IA⇔AI」を行き来するような進行になっていたかと思います。イベント自体も「IA」にちなんで (なぞ) 参加費やタイムスケジュールを「13」という数字にこだわってみました。

自分がつくった造語(書籍タイトル)をパロディ化し、企画から演出、出演まで携わらせていただけて本当に感謝です。デスクトップワークスの田口さんはじめ、登壇を快諾していただいた中村さん、会場を提供してくれたクリーク・アンド・リバー社の皆さん、そして運営スタッフの皆さん、ありがとうございました。

少し先の未来には、本当に『AIシンキング』という言葉が使われていると思います。そんなことを考えながら振り返ってみました。

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Okinawa Creators’ Holiday Vol.1 #OCSH

OCSH Vol.1

2017年6月3日に、沖縄(宜野湾)でのイベント「Okinawa Creators’ Holiday Vol.1」に登壇してきました。前日には、株式会社レキサスの社内勉強会に参加しUXワークショップを実施しました。

今回(第一回目)のテーマは「コミュニケーション」ということで、プロジェクトやコミュニティでの〈やりとり〉に着目する内容のイベントでしたが、その中でボクのほうからはコミュニケーションのための「コンテクスト」にフォーカスしてお話しすることができました。

このイベントの運営母体は、株式会社レキサスで、司会は同社マークアップエンジニアの有馬さん、設営その他もろもろをレキサスの皆さんにしていただきました。

※Okinawa Creators’ Holiday: OCSH (オッシュ) とは、沖縄のクリエイターのための勉強会・交流会です。

コンテクストデザインの理解

コミュニケーションを成立するためには「コンテクスト」が重要だと考えます。日本人に代表されるハイコンテクストを例に、どうしたらうまく伝えることができるのか、文脈・脈絡・背景などを改めて考えてみるセッションにしました。

途中、KAOSPILOT で学んだ「クリエイティブ合気道」を参考に、ペアワークも取り入れて、伝わらないときのもどかしさや伝わったときにどうしていたかを振り返るようにしました。

  • ハイコンテクストは、言わなくてもわかることを大切にする
  • 同じ言葉(例: UX)でも使う人や環境によって、コンテクストが異なる場合がる
  • 「7つの切り口」のように、コンテクストは物事に影響を与えやすい
  • ギャップがあること、ギャップに気づくことが大切
  • うまく伝えるには、相手を見ること・まわりを見ること

クライアントとのやりとりも改善!? リモートワーク環境構築のすすめ

OCSH session 02

株式会社HAMWORKS(ハムワークス)長谷川さんからは「クライアントとのやり取りも改善!? リモートワーク環境構築のすすめ」というタイトルで、同社でのプロジェクトの進め方について具体的にご紹介いただきました。実際に、外部パートナー(札幌・秋田・東京)と連携して進めることが多いため、よくあるリモートワークの失敗例を題材に、どう工夫されているかポイントを教えていただきました。

印象に残っているのは、何度も話されていた「分業できるようにしてあること」という言葉です。これは深いですね。そのためにはワークフローやワークスペースなどが具体的にイメージができていることが重要になると思うので、その方法や具体例をご説明いただいた感じです。あと余談ですが、Wi-FIネットワークに「(´°ム°`)」を発見できたことがうれしかったです (笑)。

  • ドキュメントの用意と整理(説明時間の省略と忘れた時やチェック時の確認に)
  • 仕様の明確化(作業者を迷わせない)
  • 曖昧な仕様を先に解決しておく(手戻り工数の削減)

とくに、こうしたことが共有できずに進んでしまった際の「手戻り」コストを想定しておかないと、余計なコミュニケーションコストがかかりすぎて肝心の中身(品質)についての確認に至らない可能性も出てきます。ボク自身も過去にそうした経験をしてるので身にしみる体験談を聞かせていただきました。

最後に、コミュニケーションツールとしての「slack」や「Redmine」「Git」などのプロジェクト管理ツールをご紹介いただきました。こちらは後に講演する新垣さんのセッションでもお話しいただいたツールもありました。

札幌で経験した地域コミュニティとの関わり方

OCSH session 03

Webデザイナーの高橋さん(コモモさん)とマークアップエンジニアの森さん(モリコさん)からは、札幌でのコミュニティ運営で気づいた点を教えていただきました。

彼女たちは長谷川さんの主催されているコミュニティ「SaCSS (Sapporo.CSS)」に参加して7、8年だそうで、これまでに全国のイベントにも参加して経験値をためてきたそうです。そうした経験値を活かして自分たちで開催したイベント「Direction Night」とその経緯についてお話しいただきました。

  • それまで多くあった技術系ではなくディレクションがテーマのセミナーがよかった
  • そのセミナー講師と直接つながり、自分たちでセミナーを開催することになった
  • はじめて自分たちでセミナーイベント「Direction Night」を開催
  • 単発で終わらず Vol.4 には、コンセント社のディレクターを招いて大盛況だった

結果、思った以上に準備が大変だったこと、プレゼンの敷居が高かったことを理由に、福岡の「さと研」を参考にピボットしたそうです。セミナー形式からアンカンファレンス形式に変更し、名称も「わくわくWWWさっぽろ」で再始動した経緯までお話しいただきました。

最後のまとめにあった「無理をしない!自分たちのペースを守る」が一番印象に残っています。沖縄でもそうしたコミュニティがたくさんできるといいなと思いました。

彼女たちの新刊『作りながら学ぶ HTML/CSSデザインの教科書』もコーダーやマークアップエンジニアやWebデザイナーは要チェックです。

※『SaCSS(サックス)』は、札幌で主にコーダー(マークアップエンジニア)やWebデザイナー向けに、HTMLやCSS、JavaScriptなどフロントエンドの内容を中心に、ほぼ毎月セミナー・勉強会を開催しているコミュニティーです。

IT企業のデザイナーが教える、仕事で使えるツール

フルスタックデザイナーでもある株式会社レキサス新垣さんからは、「仕事で使えるツール」をいくつか紹介いただきました。自分も使ったことのあるツールから、使ったことのないツールまで同社での実績としてご紹介いただきました。

そのうえで、(エンジニアとからむときに)覚えてほしいツールを「Webサイト制作」「エンジニアとの協力」「気楽なやりとり」と3つのテーマで掘り下げて教えていただきました。それぞれのサービス特長は割愛するとして、まとめると次のようなことだったと理解します。

  • 余計なコミュニケーションをなくすためにもツールを効率よく使うべき
  • デザイナーとエンジニア、コーダーとエンジニアなどのコラボが必要
  • 従来の手法だけに頼らず、効率化をすすめるためにもいろいろ試すこと

以下、紹介いただいたツールをテーマに分けてリストアップしておきます。

Webサイト制作

エンジニアと協力

  • UIに特化したデザインツール「Sketch
  • プロトタイプに特化したサービス「Prott
  • エンジニアへの便利な指示書「ZEPLIN
  • エンジニアが好きなフレームワーク「Bootstrap
気楽なやりとり

  • 社内での気軽なチャット、ビデオチャット「Google ハングアウト
  • プロジェクトメンバーや部署内でのチャット「slack
  • 全社連絡 + 業務ツール(稟議・パスワード・備品管理など)「kintone

まとめ

パネルディスカッションでは「デザイナーへの指示やそのコミュニケーションが通じない場合どうするか?」という質問がありました。ボクの場合、参考サイトを見せてそれに合わせる工夫をお願いするとお話しましたが、Webデザイナーのコモモさんも同じような回答だったと思います。ただ、ボクの場合は対クライアントで、コモモさんは対ディレクターだったと記憶しています。

今回のセッションは、簡単にまとめると、ボクのセッションは「ペアワークで気づくコンテクストの理解」、ハムさんからは「リモートワークとクライアントとのやりとりガイド」、高橋・森ペアからは「コミュニティへの参加と主催者経験談」、そして新垣さんからは「エンジニアからのツール紹介」ですかね。

ほかの登壇者のセッションを聞きながら「何のコミュニケーションを扱っているか」を常に頭に浮かべながら聞かせていただきましたが、もっとも印象に残ったのはハムさんのセッション内容が常日頃「それは当然だろう」と思っていたことをあえて伝えていたことが印象に残っています。逆に伝える必要があるということは、やはりそうしたことで助けになる人がまだまだいるということでしょうか。それと新垣さんのセッションで「Backlog」を知らない方が数人いたことです。

沖縄という場所や仕事観、文化の問題もあるかも知れませんが、もしかすると今回の参加者の仕事内容とスピーカーの仕事内容にも〈ギャップ〉があったのではないかと思います。ただ、これを機にこれからのコミュニケーションをより効率化し、お互いきちんと意思疎通しやすい環境になっていけばいいなと思いました。その意味でもその後の懇親会でもっとたくさんと方とお話ししたかったです。

関係者の皆さん、とりわけ運営に携わっていただいた株式会社レキサスの皆さん、そして今回のお声がけをくれたタケノリ氏、ありがとうございました。

※イメージ写真は、翌日ブラタカシをしているときに発見した青色のシーサーです。やちむんの村の大嶺ギャラリーにありました。

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Global Accessibility Awareness Day #accfes

会場のある神戸商工貿易センタービル24階からの眺め

2017年5月18日、神戸で開催した「アクセシビリティの祭典」に参加してきました。この日は「Global Accessibility Awareness Day」ということで、毎年行われているイベントで、今回は第三回目ということもあり参加者も100名以上とたいへん盛況なイベントでした。メモを頼りに振り返ってみたいと思います。

神戸市ホームページの取り組み

リリース当初から Bing 風の検索窓しかない自治体サイトとして話題になった神戸市のホームページ。広報課の中務さまや関わった方々からの説明や背景を聞くことができました。当初から、検索向上・情報発信力・デザインの向上をねらったリニューアルとして、「デザインの神戸」を発信していく姿勢で取り組まれていたこと、そしてその取り組みは市民の評価をもとにされているという点が印象的でした。

  • トップページの検索キーワードのサジェストはサイト内検索をみて調整している
  • 市民評価として、リリース前(デザイン検討時・CMS実装時)に行った
  • トップページの方向性には2通り(能動的⇔受動的)あるとのこと
  • 検索窓だけだと「6000円」だけのキーワードをうまく誘導できない問題
  • みんなの公共サイト運用ガイドライン」の適用を2019年までに実施予定
  • 10万ページを一気に「AA準拠」できないため、3万ページを徐々に適用する予定
  • 外部サイトも適用範囲のため、関連サイトの調査からはじめる必要がある
  • 現在地よりも継続性が評価される

※「AA準拠」とは、JIS X 8341-3:2016 のウェブアクセシビリティ適合レベルを指す。

LIVE ユーザビリティテスト

実際に被験者に支援ツールを使っていただくライブテスト。インフォアクシアの植木さんがインタビューアーに神戸ライトハウスの澤田さんが被験者で行いました。支援ツール「NetReader」を使って、実際に検索するところを実況中継してもらいました。「検索を検索している」まさにそういった印象を持ちました。

  • U-Site、「ユーザビリティテスト5つのポイント」から必要性を解説
  • 音声ブラウザはいつもは最速で使い、読むというより単語を飛ばす感じ
  • 曜日を一文字で使うと「(土)」が「ツチ」とだけ出力されるが気にしない
  • テストは「難易度(高・中・低)」と「タスクの達成度」で測る

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マシンリーダブル = アクセシビリティ

「JIS 8341-3」の改定により、「ウェブアクセシビリティは福祉の1つ」だと主張されるバスタイムフィッシュの村岡さんとアイ・コラボレーション神戸さんのセッション。現在、ウェブの参加者(利用者)は、ヒューマン(私、あなた、高齢者…)が中心にあるが、そのほかにもマシン(支援ツール)そしてマシン(AI・ソフトウェア)がいることから、マシンリーダブルがより重要になる点を強調されていたと思います。

  • ウェブ技術の性質(オープン性など)をとらえる必要がある
  • ヒューマンリーダブルであり、マシンリーダブルである、この順序で考える
  • 相互運用性「Interoperability」がキーワードである

あなたの価値を高めるWebアクセシビリティ

名古屋のイベント「WCAN 2016 Winter」でもご一緒したことのあるBA伊原さんのセッション。「コーダー白書 2016」「Webデザイナー白書」を用いて、身につけるスキルとして認知されている一方、そもそもアクセシビリティとは何なのかが理解されていない点をふまえて、細かく解説いただきました。

  • アクセシビリティは、UXの一部でありベースである(UXハニカム)
  • Webであることが、そもそもアクセシブルである
  • アクセスして何にアクセスするのかが本来の価値(目的)につながる
  • 使えるかどうか(ユーザビリティ)として捉えることができる
  • テキストは(コードの前提でもあり)インターフェースの基本である
  • ユーザビリティ=アクセシビリティという視点
  • マシンリーダブルとヒューマンリーダブルの境界がウェブアクセシビリティ

最後に「(アクセシビリティは)売りにつながるか?」という質問には、キヤノンの例をもとに、コスト低減につながり利益に貢献する点をご説明いただきました。

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私たち企業がアクセシビリティに取り組む理由

スポンサーである5社から取り組みを簡単にご紹介いただきました。

  • サイバーエージェントでは、アクセシビリティに取り組みを社内評価制度にまでしている(佐藤さん)
  • サイボウズは、「製品にアクセスすることで何にアクセスするか?」をすべて「チーム」として取り組んでいる(小林さん)
  • ヤフーでは、企業理念からアクセシビリティを基本品質としてとらえている。共感性と持続性を重要視しているとのこと(中野さん)
  • FONTPLUS からは小田原市と三井不動産のサイトの例をもとに「Web フォント」についてご紹介いただきました「文字がこれからも主人公になる」と(関口さん)
  • アルファサードでは「Web をよくする」ビジョンをもとに、アクセシビリティ関連の拡張機能(ColorTester/ColorQuest)の開発背景を紹介(野田さん)

「こういうことをするのが好きだ」という野田さんの素直な言葉もそうですが、各社に共通しているのは企業理念からすべてきている点、これが強いから「アクセシビリティ」に関する取り組みもブレなく取り組めるのだと思います。

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WAI-ARIAの正しい使い方~あるある?

「ブルゾンちえみ」のオマージュ (?) からはじまった SAWADA STANDARD DESIGN の澤田さんと D2D (D2Draft) 勉強会の方たちのセッション。「WAI-ARIA 」の使い方やよくある失敗例をご紹介いただきました。

その中で印象に残っているのは、画像がテキトーなもの(たしか大仏)に変わったことではじめて気づく「意味のある画像だったのか」という視点です。装飾とデザインの違いについて、アクセシビリティの文脈でキレイに見えた気がしました。解決策が「ALT」というのは少し拍子抜けしてしまいましたが (笑)、ALT の大切さは痛感することができました。

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※WAI-ARIA は、Web Accessibility Initiative – Accessible Rich Internet Applications の頭文字であり、HTML や SVG で利用できるアクセシビリティ確保のための属性の仕様です。

話題の技術とアクセシビリティ

「情報をアクセシブルにすること = オープンにすること(公平に扱うこと)」を念頭に、IOT や AI(人工知能)のある現在を考える機会になりました。手の震えを抑えるプロダクトの開発は、支援ツールの未来を見させてもらって印象深かかったです。

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トークバトル60分一本勝負「アクセシビリティ vs IA/UX」

昨年の祭典でも「UX」に触れていたことから実現したトークバトル。ミツエーリンクスの木達さんを相手に、レフェリーをBAの伊原さん、ゴングコールを植木さんという布陣でのぞみました。当日まで木達さんとは話をしてはダメだと言われていたので (笑)、本当に「スジナシ」で行いました。いろいろ話していたかと思いますが、記憶に残っているトピックは以下のようだったと思います。

  • 「UI/UX」に「IA」も「アクセシビリティ」も含まれているのではないか?
  • 「アクセシビリティ」は全員が考えることか、担当者が考えることか?
  • U-Site の「設計品質と利用品質」で説明ができるのではないか?
  • 「アクセシビリティ」という言葉を使う必要はないのではないか?
  • アクセシビリティに取り組むことは投資? 永続性への対応になるのでは?
  • アクセシビリティ対応は「統一」ではなく「一貫性」が大切ではないか?

「UX」がつくのは単にカッコイイからでは、と言ったと思いますが、やはり表層や結果に対しての言葉のように受け取れます。なので「IA」や「アクセシビリティ」は本質や進め方(つまりシフトレフト)に対する言葉なのではないかと思います。

グランドフィナーレ「アクセシビリティQ&A」

図らずもボクも前に座らせていただいたのですが、いくつか参加者からの質問を聞くことができました。やはり「アクセシビリティ」への対応についての意見や質問が多かった印象で、それを聞きながら自分の考えも整理しながら聞くことができました。以下のような質問があったと思います。

  • 古いガイドラインをもとに指示を受けている場合がある
  • パートナーとアクセシビリティ対応について意思疎通がうまくいかない
  • 受託側でシフトレフトができるのか?

まとめ

インフォアクシアの植木さんから直接お声がけをいただき、参加することができた本イベントは、展示ブースも含めたいへん多くの方が参加されていました。個人的にも知った顔がチラホラいましたし (笑)。そういう意味でも、国内で唯一のアクセシビリティの大規模イベントだと痛感することができました。そんなイベントに参加できたことが本当にうれしく思います。

今回のイベントは「WCAG 2.1 のリリースおよび IoT や AI の潮流をキッカケに、(アクセシビリティにおける)マシンリーダブルを再考することにつながっている」という大きな気づきを得ることができました。どうしても Web に限定した解釈をしてしまいがちなのですが、今回はそれを超えて見聞きすることが多かったように思います。

懇親会後の澤田さんのコンサートで聞いた「アクセシビリティ・ブルース〜お前の alt に首ったけ〜」をもう一度聞いて改めて「アクセシビリティ」について考えてみようと思います (笑)。

植木さん夫婦はじめ関係者の皆さんありがとうございました。イベントを終始監督していただいた板垣さんや司会いただいた北山さん、ほかにも受付などもろもろお手伝いいただいたアイ・コラボレーションの皆さん大勢いらっしゃったと思いますが、全員にご挨拶できませんでしたのでこの場を借りてお礼いたします。ありがとうございました。

来年もトークバトルするんでしょうかね… (笑)。
懇親会では最後にカラオケまで行くことができ、濃い一日を過ごすことができましたとさ。

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UX DAYS TOKYO 2017 Conference

UX DAYS TOKYO 2017

2017年4月14日(金)に東京で開催された「UX Days Tokyo 2017」のカンファレンスに参加しました。今回で3回目の UX Days Tokyo は、国内最大級のUX系イベントで「UX LONDON」がベースになっています。今年も所属するネットイヤーグループはシルバースポンサーとして参加することができました。

テーマは「組織で作るUX」ということで、スピーカーに元 Twitter のUXマネジャーでもある Cennydd Bowles をはじめ海外の著名な方々をお招きしたカンファレンスでとても豪華でした。

午後からの参加

今回は、当日午前中に所用があったため午後からの参加となりました。お昼のお弁当は、毎年恒例になりつつある今半のお弁当です。午前中にあったセッションは聞けなかったので、ほかの方のイベントレポートに期待したいと思います。

Friction, More or Less/フリクションの一覧

Friction, More or Less by Stephen P. Anderson

Seductive Interaction Design』の著者でもある Stephen P. Anderson からは「6 Kinds of Friction/6つのフリクション」を紹介いただきました。「Friction」とは摩擦や衝突と訳すことができますが、ユーザビリティを考えるうえで絶対悪と思われがちの Friction を、6つの状況に分けて解説し、必ずしもそれは悪ではないことをいっしょに見ていきました。

  • BAD FRICTION/フローがスタックしてしまうこと
  • UNSEEN FRICTION/フローをジャンプすること
  • BOUNDARY FRICTION/人とデバイスなどタッチポイント間を継ぐこと
  • INTENTIONAL FRICTION/あらかじめ事前に防ぐこと
  • LEARNING FRICTION/学んでわかりやすくなること
  • EXTERNAL FRICTION/条件や規制をふまえること

道を塞ぐような工事現場を例に、航空チケットの予約手続きの途中に「やり直し」ボタンが出現したこと、SNS でリンク先を開くと認証画面が出ることなどがあげられました。また、入力手段をタイピングではなくスキャンやメッセでしてしまうことで、フリクションをなくした例などを紹介いただきました。

とくに、UX Days Tokyo 2015 に登壇した Josh Clark の「MIND THE GAP」でも取り上げられた、デバイスをまたぐような技術は最近増えてきていており文字通り「魔法のような」感想を持ちます。ジャーニーにおけるタッチポイント間の「継ぎ目を継ぐこと」の重要さを理解できました。

Designed to Learn/正しいMVPと顧客の学習

Designed to Learn by Melissa Perri

Product Institute」という Product Management School を設立している Melissa Perri からは、本人が過去の経験から気づいたユーザー理解の重要性と MVP についてお話しいただきました。

Pixar CEO の Ed Catmull 氏の言葉「My own belief is that you should be running experiments,many of which will not lead anywhere.If we knew how this was going to end up,we’d just go ahead and do it.」を引用して「Experiment/実験」の重要さを解いてくれました。

  • アジャイル開発やリーン開発で言われている「Minimun Viable Product (MVP)」の本質は、ユーザーを理解するところにある。
  • 問題を追求することに時間をかけすぎないで、早く実験すること。
  • 小さな実験(ウェブ上でのアンケートなど)をしたことで、本当にユーザーがほしいものがわかった実例。
  • 「Problem-Solution Fit/問題解決を考える」から「Product-Market Fit/製品マーケットを考える」という順番で考えること。
  • 大きな課題を解決することは、ビジネスの価値をつくることにつながる。
  • (余計な解釈が増えるため)あえて「MVP」と言わないようにする。
  • 製品戦略は、実験からしか生まれない。

Designing conversations/対話型UIの設計

Designing conversations by Giles Colborne

Giles Colborne は、英国のデジタルコンサルティングファームの cxparners の共同創設者です。今回は、Amazon Echo に代表される音声認識など次世代ユーザーインターフェースにおける陥りがちな問題とその考察をお聞きすることができました。

旧デスクトップパソコンを思い通りにならず破壊する映像からスタートしましたが、あらゆる情報をこの小さな画面に収めようとしていた時代から、より人間の直感に近づいていることがわかります。今回は、AI や 音声による会話の難しさをいくつかのポイントで説明いただきました。

  • 音声入力はしやすい場所や環境により制約を受けやすい(自宅・車・駅・オフィスの順)
  • 会話の始まり方を「STAR TREK」のワンシーンから解説。
  • 会話の続きを理解するには「コンテクストを理解していること」が前提となる。
  • 会話に必要なスコープ(範囲)の設定も重要。
  • 言語は間違いが起こりやすく、同じ音はさらに難しい。
  • Google Home のランプや絵文字などの非言語で感情を表す場合がある。
  • 時間やエラー、シグナルを読み取って答えなければいけない。
  • 顔の動きで感情をパターン化したように思考にもパターンがあること。
  • 感情をつくることが、エクスペリエンスデザイナーだ。

※AI とは Artificial Intelligence の略で人工知能を指す。

休憩時間

司会の土岡さんとも直接お話しができ、休憩中にブースを出している企業をいくつか回ることができました。はじめてお会いする方とも情報交換ができる点はイベント参加のメリットですね。今回もいろいろと収穫がありました。

リクルートライフスタイル鹿毛さんとは面識こそなかったのですがはじめてお話しできたこと、アジケ梅本さんと取り組まれていることについてお聞きできたこと、Sansan の大海さん・後ノ上さんには、彼女らのサービス「Eight」をきちんと紹介いただき、実際に試してその場でつながることができたこと。安藤さん大谷さんらとも再会できてうれしかったです。

UXのイベントに出展している時点で、なにがしか(自分たちとも)共通項があるとは思っていましたが、実際にお話しすることでその理解が深まりました。

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まとめ

今回聞いた3テーマは、いずれも「UX」が関係しているとは言え、ものづくりから見た場合の人間の理解と、理解することで実現できるリアルの話に尽きていたように思います。どうしても「UXデザイン」の文脈で聞いてしまうと、プロセスやナレッジというところに頭がいきがちですが、不確実性の高い未来に対して向き合う処方箋をいくつか見せていただいたような気がします。

単純に、これまでの話というよりもこれから起こる未来に対しての準備とでも言いましょうか。そうした観点をイベント全体(といっても午後だけですが)を通して体験することができたと思います。参加者のイベントレポートはまだあまり見れていませんが、だいたい同じような感想を持ったのではないかと思います。

最後に、グラレコではないですがスタッフとして参加されていた couldヤスヒサさんが描いたスケッチノートが見事なので紹介します。

Sketch note by yhassy

過去のレポート

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KAOSPILOT Creative Leadership Workshop in Tokyo

KAOSPILOT

2017年4月21日と22日の2日間、日本で第2回目となる KAOSPILOT クリエイティブリーダーシップの特別ワークショップ (モジュール1) に参加してきました。

KAOSPILOT とは

KAOSPILOT (カオスパイロット) とは、デンマークにあるビジネス・デザインスクールのことで、世界的に評価されている学校です。以前から、大本 綾さんの記事や講演を聞きかじりしていましたので、そのメソッドや取り組みにはたいへん興味がありました。

今回は、その学校で教えている「クリエイティブリーダーシップ」プログラムを日本で受講できるという点と、その学校の校長である Christer Windeløv-Lidzélius 氏とプログラムディレクターの David Storkholm 氏が来日して直接お話しが聞ける点、そして「百聞は一見に如かず」ということで参加するに至りました。

募集が告知されてから非常に楽しみにしていた反面、本当に参加する価値があるのかずっと疑心暗鬼でした。しかし、終わってみての感想はまったく違っていました。どんなことをしたのか思い出しながら書いてみようと思います。

チェックイン

会場に着くと座席が円になっていることがわかります。全員の顔が見えること・講師含めて並んでいるフラットな関係であることがわかります。

はじめに「チェックイン(この機会に参加する意思と宣誓のようなもの)」を参加者全員でします。これにより、このコミュニティに自分が参加することを全員に知ってもらうこと、また認めてもらったことを自覚します。

2つのリーダー像

KAOSPILOT での取り組みやその考え方を聞きました。中でも印象的だったのが「(コミュニティの)リーダーには2つの側面がある」というものでした。簡単に言うと、中身を見るリーダー「Leaders PARTICLES」と空間を見るリーダー「Leaders SPACE」の違いです。

Leaders PARTICLES/中身を見るリーダー

  • Content/コンテンツ
  • Information/情報
  • Being Instructional/インストラクションを得る
  • Outcome/成果

Leaders SPACE/空間を見るリーダー

  • Context/コンテクスト
  • Communication/コミュニケーション
  • Being Inspirational/インスピレーションを得る
  • Next Step/次のステップ

そして、その役割には、信頼・集中・モチベーション・コミュニケーションをサポートするものだということが明確に述べられていました。コミュニティにおける「信頼」をはじめに置いた解釈は、ボクにとっては新鮮でした。

手元を見ないで描く似顔絵

手元を見ないで相手の似顔絵を書くというワークがありました。「アイスブレイク」としてだったと思いますが、自然と笑みが溢れる点で楽しめました。イラストはどうしても上手く描こうと誰もが思ってしまうものだと思いますが、この方法だとどうやっても上手く描けません。

中には人間の顔とは思えないものもあったわけですが、手元を見ないというルールなので、誰も絵の上手さを気に留めません。今から思えばこの時点で、信頼が作り始められていることに気づきます。

※アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法。

LEGO を使ったグループワーク

グループワークでは LEGO (レゴ) を使ったワークをしました。1日目の山場だったといえます。一切言葉を発してはいけないこと、一人ひとり別のルールがありそれを明かしてはいけないことなどを条件に、静かにレゴを組み立てていきました。最終的にはうまく組み上げられたわけですが、そこに至るにはいくつかの理由がありました。

  • あいづちを打つこと
  • ジェスチャを交えたこと
  • 順番を待つ、ゆずったりしたこと

途中で、個別のルールはお互いにコンフリクトしないことが伝えられたので、お互いを信じることができました。それによりお互いを「待つこと」ができたのが成功の要因だったように思います。手元に集中しすぎず1つタスクを進めれば、顔を上げまわりを見渡す。「作っては壊す」という順番の如く、まず作りはじめないと次に続かないこともよくわかりました。

リスニングの3レベル

リスイングには3つレベルあり、過去に起きたことを自分の記憶に関連づけて聞くこと・自分の考えを含めないで今起きていることを素直に聞く・まだ起きていないことや言語化されていないことを聞く、というのに分かれるそうです。聞くことというのは「状況について」と「価値について」に分かれます。そして、相手がまだ言語化できていないことを聞き出す「パワフル・クエスチョン」について教わりました。

  1. Internal listenning/過去に起きたことを聞く「MIRROR」
  2. Focused listenning/今起きていることを聞く「TUBE」
  3. Global listenning/まだ起きていないことを聞く「ANTENNA」

これらのリスニングを用いてグループワークを行いました。パワフル・クエスチョン「自分の人生において何をもっとも尊重しているか」について、人生相談ともとれるようなディスカッションをすることができました。

チェックアウト

1日目の終わりに、今回の感想というか気づきを共有するチェックアウトを行いました。はじめにしたチェックインと同様に、円陣で全員の顔が見える状態でしました。

聞くこと」の大切さ、その根底にある「信頼」、そしてそれをどう実践するか「問いの技術」、そのすべてを1日目で学んだと言えます。

クリエイティブ “AIKIDO”

2日目は「コミュニケーション」がテーマでした。その中で「Creative “AIKIDO”」と称したメソッドがたいへん興味深かったです。合気道(相手の力を利用して制す)ということは、物事の考え方にも適用できるということですね。

  • Accept the force/許容する
  • Integrate the force/受け入れる
  • Build on the force/力に変える
  • Offer it back/提供する

相手の意図(意思)を受け入れることから始まります。パントマイムジェスチャでウォーミングアップをしたあとに、相手の話を聞いて次のストーリーを考えるといったワークがありました。この中で「Mind the Gap」についても学びました。

話をもう一度やり直す「New Shot」や、次の話し手に代わる「Shift」という言葉を使い、ペアでストーリーを作っていきます。相手がどう考えているのか、次はどういう展開だと面白いのか、なかなか高度でしたがライブ感があって、とても楽しめました。

ピクシー絵本の創作

デンマークの絵本「Pixie Book」をグループワークで創作するというワークが今回の一番の山場となります。テーマは「リーダーシップ」。絵本を作ることで、チームワークが試されるわけですが、2日間を通して学んだことをすべて活用して取り組むワークになったと思います。

グループ分けはランダムに選ばれたわけですが、奇遇にもIDEOの石川さんやGaji-Laboの山岸さんたちと同じグループでとてもエキサイティングに取り掛かることができました。話せば長くなるので、グループ内でしたいくつかの工夫をトピックとして整理してみます。

  • チェックイン(宣誓)し、お互いがしたい進め方や手法を共有した
  • 散歩に出て、お互いの考え(リーダーシップについて)を共有した
  • 途中でユーザー評価を取り入れた(運営スタッフに意見を聞いた)

リーダーの2人(NTTの草野さん・P&Gの今泉さん)がうまくコントロールしてもらったおかげでスムーズに進めることができました。はじめからガチガチに決めなかったこともあり、キャラクタやストーリーの骨子が決まってからは加速度的に仕上げに入ることができました。最後の仕上がりにはグループ全員が満足しかつ感動することができました。

今回、ボクたちが創作した絵本は「海辺のトロビー」といいます。思いのほかグループ全員の想いも強かったので、実際に絵本を作ってみようという意見まであがっています (笑)。機会があればどこかで開発秘話など含めお話しできればと思います。

Team "TOROBII" Presentation

コミットメント

プログラムも終わり、最後は修了証の授与と引き換えに(クリエイティブ・リーダーとしての)コミットメントを表明する儀式がありました。ボクのコミットメントは「クリエイティブ・リーダーとして、顔を上げて周りを見るようにすること」としました。

考えることや悩むことも多い昨今、自分の手元だけで考えがちですが、顔を上げ周りを見渡して何事も進めていければと思います。

まとめ

はじめ疑心暗鬼だったわけですが、終わってみての感想は「参加して本当によかった」です。なぜそう感じたのか、自分でも整理してみようと思います。ポイントは大きく2つあると思います。

  • 見ていた範囲が違った(手法ではなく哲学だった)
  • 見ていたレイヤーが異なった(デザインではなく人間だった)

まず、見ていた範囲が違ったことがあげられます。はじめは自分でもしているワークショップやファシリテーション、また Service Design Splints を勉強していた背景から、それらとどれほど違うのかという視点(穿った見方)だったことがあげられます。まったくもって狭い範囲でしか考えられていない自分だったことがわかります (笑)。実態は、この投稿で何度も書いている「信頼に基づくところからの出発」にありました。

次に、レイヤーが異なっていたということも言えると思います。どうしてもデザインという視座を持ってしまっていることが原因だと思いますが、今回学んだことはデザイン云々という目に見えるカタチというよりも「人間(関係)」に焦点をあてたものだったと言えます。

最後に「リーダーシップ」とは何でしょうか。ボクははじめ「指揮する・率いる・統率する」イメージで凝り固まっていましたが、今回学んだ結果、リーダーシップとは「信頼という場作りの構築」に置き換わりました。自分でも驚く結果です。そしてこれはなかなか伝えることが難しい。

皆さんにとって「リーダーシップ」とは何でしょうか。

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Playback 2016

mt.fuji

2016年は、漢字一文字で表すと「」が当てはまる一年でした。なにか継続して取り組んでいる、そんな姿勢の表れが端々に出ていた一年だったかと思います。本の出版も然り仕事も然りで、毎日続けること、継続する取り組みをいくつかできたのではないかと思います。

ブログ

2015年個人ブログで15本書いていましたが、2016年は個人ブログの投稿8本、会社ブログ5本、メディア1本なので少なかったですね。そのうち、もっとも多く「いいね!」をもらったのは以下のエントリーでした。来年はもっと多く書こうと思います。

あとは、「g.o.a.t ブログ」で自由律短歌や俳句を写真と合わせて書き綴ることにチャレンジし、日常の出来事を「LINEブログ」に書いたりしてみました。

講演

2015年34本でしたが、今回はその倍にあたる62本だったようです。毎月5本以上なので毎週末(それ以上)やってたことになりますね (汗)。はじめて訪れた場所(長野・甲府・神戸・松山・沖縄などなど)にもお呼びいただき、とても充実した旅ができたのも印象的です。たまにお会いする方に「今どちらにおられるんですか?」と聞かれるくらいでした。

内容のほとんどは書籍『IA/UXプラクティス』の発売がキッカケでしたので、同じ地域(名古屋や大阪)に何度もお邪魔させていただくこともありました。ありがとうございました。

  • CSS Nite(After Dark 含む)
  • 宣伝会議(3つの講座)
  • HCD-Net 関西、Xデザイン学校
  • WCAN 2016 Winter
  • JEITA ソフトウェアエンジニアリング技術ワークショップ 2016

執筆

専門メディアサイト「Markezine」の連載を書くことができました。また2年前に絶版になった書籍のリベンジとして3月に単著『IA/UXプラクティス』を発売することができました。そして年内最後の12月には共著『UX x Biz Book』を発売することができました。年に本2冊も出せたことは自分としても驚きです。ありがとうございます。

仕事

組織変更もあり、チームで熱海旅行をしたのが新鮮でしたね。楽しかったです。仕事内容といえば、営業・企画にシフトした年になりました。2016年はじめに取得した「Service Design Sprints」のマスターを取得したことで、社内研修プログラムの充実も図り、会社主催のワークショップイベントも企画から講演をすることができ、プロジェクトでも勉強会に加えワークショップをいくつか実施することができ、内外ともにワークショップをやりまくった一年になりました。監修したツール「UX Recipe」の共有機能をリリースしたことが遠い昔に思えます。

  • 某保険のメディア開発に参加
  • 某メーカーのグローバルサイト案件に参加
  • 某金融サービスの開発に参加
  • 某保険の新規サービス開発プロジェクトに参加
  • UXツール「UX Recipe」共有機能のアップデート
  • NPS x カスタマージャーニーマップ活用セミナー(企画・講演)

プライベート

「懐古」そんなテーマがある一年でした。学生のとき憧れていたグラフィックデザイナーの三木健氏の個展で直接お話することができました。5月に「iPad Pro」と「Apple Pencil」を購入したのですが、それで絵を描く楽しさを再発見することができました。やはり絵を描くことが好きなんだと。それに輪をかけて「iPhone 7 Plus」を購入したおかげで、写真を撮ることも多かった一年でした。

そのキッカケでもないのですが、大切なイラストレーターだった親友を亡くしたことも大きな出来事です。京都で訃報を聞いたときには講演で京都にいたのでそのまま告別式までいたのを思い出します。彼女の絵を描くことに対する想いを受け継ぐカタチで、iPad で絵を書いていたような気がします。

家族で行ったことといえば、狂言で野村萬斎、落語で立川談春など古典芸能を堪能した機会も多かったと思います。そもそも自分はそういうものが好きなんだ、そう思えることが多かったです。時間を見つけてはライブに行ったりとかもしました。最近であれば、竹原ピストルですし、ひょんなことから華原朋美と直接お話もできたし、ベビーメタルのライブに参加したりしました。そういえばドラクエ展に行ったのも今年ですね。

映画・テレビ番組

何と言っても大河ドラマ「真田丸」一色だったと思います。なので長野県に講演に行った際には、上田城に行ったりとかもしました。「龍馬伝」に次ぐ大変すばらしい大河ドラマだったと思います。

映画では「君の名は」はもちろんですが、その前にあった「シン・ゴジラ」これはもう一度観たいですね。細かな演出は庵野監督そのものでした。そして極めつけは先日上映された「ローグ・ワン(スターウォーズ)」ですね。なんといってもエピソード4に続くストーリーだけに興奮が未だに覚めません。

あと個人的には、舞台挨拶に遭遇したロマンポルノ「ジムノペディに乱れる」を見れたこと、竹原ピストルも出てる「永い言い訳」を見たことは印象に残っています。あと、忘れてはいけないのに「スティーブ・ジョブズ」もありました。

  • 真田丸
  • 君の名は
  • シン・ゴジラ
  • ローグ・ワン(スターウォーズ)
  • ジムノペディに乱れる
  • 永い言い訳
  • スティーブ・ジョブズ

読書

読書は、本を購入しても「Kindle」で見つけては買ってしまうことがありました。人の歴史やストーリーがやっぱり好きなようで、そういった書籍を見つけてはコッソリ読んでいました。とくに、海外の著者の翻訳版を多く読んでいるようで、自己啓発も含めいろいろと刺激をもらいました。

  • シンプルに考える
  • ダントツにすごい人になる
  • スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで(上・下)
  • インクルージョン思考
  • サーチ・インサイド・ユアセルフ
  • Think Simple
  • HARD THINGS

仕事関連では、「〈インターネット〉の次に来るもの」や「未来を築くデザインの思想」など思想にフォーカスした内容の本が多かったように思います。

  • 〈インターネット〉の次に来るもの
  • デザインの伝え方
  • Web制作者のためのUXデザインをはじめる本
  • 未来を築くデザインの思想
  • デザインスプリント
  • ストーリーマッピングからはじめよう

漫画だと「センゴク権兵衛」そして先日最終話だった「スティーブス」があります。

2017年

テーマは「」でいこうと考えています。

これまでの単純な積み重ねではなく、新しい動きをする、これまでにないことをする、もうこれに尽きるかと思います。これまで皆さんにいただいた機会を次のステップにつなげるよう動くことを考えています。

見えている活動としては、アレやコレや言うというよりも「自分の考えていることをアウトプットし続ける」「新しいことにチャレンジし続ける」これを増やすということを念頭に取り組んでいこうと思います。

最後に、竹原ピストルの歌詞を引用しておきます。

何が本当の自分探しだよ。
もうとっくに見つけているじゃないか。
見つけた本当の自分の無様さから逃げようとしているだけの
無様な本当の自分を、とっくに見つけているじゃないか。

2017年、よろしくお願いします。

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CX and UX viewpoint

CX and UX viewpoint

少し前に「CX vs UX」という記事が散見されましたが、自分なりにも整理してみようと思います。

前提としては、どちらもエクスペリエンス(体験)と書いてますので、その対象者をユーザー(利用者)と呼ぶかカスタマー(消費者)と呼ぶかという点でも異なります。

概念としては、「視点が違う」ということもできますが、その言葉を使う背景から考えると「責任範囲が明確に違う」と見ていいと思います。

対比してみると、次のような感じだと思います。

CX (Customer Experience)

  • カスタマーエクスペリエンス
  • マーケティングにおける文脈
  • 対象はサービスデザイン
  • 店舗やサポートなど、ビジネスの対象者を指す

UX (User Experience)

  • ユーザーエクスペリエンス
  • プロダクトにおける文脈
  • 対象はプロダクトデザイン
  • ユーザビリティやUIなど、プロダクトの利用者を指す

言葉の使い分けに目を向けてみましょう。「CXを向上させるためにUXに取り組む」「UXを向上させるためにCXをとらえる」という具合に、次のように使い分けができます。

用例1
CX(つまりマーケティング効果)を向上するために、店舗担当者が使うタブレット用のWebアプリのUX(プロダクト利便性)を調査した。
用例2
WebやアプリのUX(つまりプロダクト利便性)を向上するために、カスタマージャーニーマップ(マーケティング分析手法)を用いた。

このように、視点が異なるため責任範囲(目的)も異なってくるということです。

CX and UX viewpoint Figure

以上のように、「CX」をマーケティング、「UX」をプロダクトの文脈で考えた場合、マーケティングの要素にはプロダクトが必要であり、プロダクトを考えるにはマーケティングを考えなければいけないわけなので、相互関係があるといえます。

したがって、CX(マーケティング)の文脈で語られるとき、プロダクトについては言及されにくく、UX(プロダクト)の文脈で語られるとき、マーケティングについては言及されにくいといった偏りが見られるのが現状です。

論点は、責任範囲に言及すべきで、己が何をするかで話すようにしましょう。

「で、結局何するんだっけ?」と思ったときには「X(体験)」で話さず「C(マーケティング)」なのか「U(プロダクト)」なのか目的を明確にして議論を進めるとよいかと思います。

参考

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