UX Tokyo Jam 2014 #uxtokyo

UX Japan Forum 2014 #uxjapan に引き続き、7/26 (土) に UX Tokyo Jam 2014 #uxtokyo に参加してきました。東京開催で比較的大きなイベントでしたので、申し込みもすぐに完売したほどです。同僚が参加できなくなったため、急遽代理で参加することができました。

UX Tokyo Jam 2014

オープニング・キーノート

オープニング・キーノートは、UX Tokyo前田さんでテーマは「UX 0-1-100」という本イベントの構成にもなっているUXをいくつかの視点で分解するお話をしていただきました。

  • UX=0 社会をどうしたらいいのか (哲学・ビジョン)
  • UX=0→1 価値を創造するには (オリジナリティ)
  • UX=1→100 より大きなインパクトをうむには (スケーラビリティ)

そして「デジタルシフト」と「顧客側へのパワーシフト」についての背景を考察したうえで、UXデザインにおける設計対象が、単なるUIからカスタマージャーニー (ユーザー体験)、そしてビジネスシステムにシフトしている点を強調されました。

ビジネスシステム、つまりユーザー体験に対応する組織デザインをしていくためには、強力なリーダーシップやマネジメント力が求められるというメッセージは、経営層だけではなく細かい役割の中にも求められてくるように思いました。

UXデザインのためのマテリアリズム

以降は、パラレルセッションとなっているため参加した方しかメモれていないのですが、参加したのは「UXデザインのためのマテリアリズム」というタイトルで、編集者の江口さんとBEENOSの山本さんのトークショーでした。

マテリアリズム」とは唯物論(対義語は観念論/イデアリズム)のことで、このセッションではUXデザインを人間性から考えるのか、派生されたモノ (Webなど) ありきで考えるのかという話だったように思います。

たとえば Web は Google で検索すればすぐに答えが見つかるなど、答えに直結していたり、人間が生活をしていくうえで非常に合理的にできている反面、人間的な側面 (感情やゆとりなど) を置き去りにしているのではないか、といった問題提起が話の根底にあったと思います。

イタリア発の「Slow Web」という提唱は非常に人間的で、待ったなしのネット社会に反する生き方を指しているようでした。参考書籍として「ぼくはお金を使わずに生きることにした」を上げられていました。

また、UXデザインとしてとらえた場合、Web を作ることを前提に進めるのではなく、なにが必要なのかを見極めてから取り組むことで、結果 Web を作ることではなく QOL (Quality of Life) を満たす取り組みを目指すことのほうが大切だとお話もされていました。ボクの経験でも課題を見極めた結果、Web サイトの刷新は必要ない場合があると感じることが多々あるのでよく理解できました。

途中で変わる例として、江口さんからは「Moff – ウェアラブルなおもちゃ」の開発背景としても、当初想定していた親子のコミュニケーションを違ったカタチで実現したことをお話いただきました。このデバイスは SXSW 2013 のトレードショーでも人気だったと聞いています。

あと、個人的に興味を持ったのが「直観力」の話です。A/Bテストやデータ分析だけで判断するのではなく、そこには全体最適をとらえて考えることが重要だという話はだいぶ以前にも機械的か人間的かといった話題を聞いたことがあったのでその話とオーバーラップしました。ボク自身もこうした捉え方をする習慣を持つよう努めているところがあります。

また、その話とリンクするように「社会的意義があるか」という言葉もボクの耳には残りました。ただ、直観力を持つことと社会的意義がどうも交わらなかったので個人的には違和感がありました。この点は直接山本さんともメッセでやりとりさせていただきました。

UX Study としての Feasibility Study

次は、スタートアップとしてのUXとして、新明さんから「ココナラ」の開発背景をお話いただきました。2年前の立ち上げから現在に至るまでの流れをご紹介いただいたので、とても参考になりました。

ココナラ」とは、パーソナルな個人の相談ごとを、個人の知識・経験・スキルを低価格に提供して解決するマイクロサービスプラットフォームで、現在数万人の利用者がいるそうです。まさに、Two-Sided Marketplaces ということで、Buyer と Seller の両方を考えなければいけないビジネスモデルです。

UXデザインの3階層(サービスデザイン/アクティビティデザイン/インタラクションデザイン)で 取り組みを簡単にご説明いただき、サービスデザインを「事業の Feasibility Study」、アクティビティデザイン/インタラクションデザインを「UX の Feasibility Study」として、取り組まれた内容についてお話いただきました。

Seller や Buyer それぞれの仮説の検証方法をご説明いただき、ユーザー自身にカスタマージャーニーを作成してもらい感情曲線を書いてもらうなど、実際に取り組まれた方法をご紹介いただきました。その中で、UXタイムスパン (期間) を持ち出し、予期的 UX を満たすことの難しさと解決策として Vision ドリブンなメッセージを検討したという話も記憶に残りました。

最後に、音声入力や自分が会えないユーザーをターゲットに設定したことでの失敗談をお話いただきました。実際に取り組んだことをこれほど長時間にわたって解説していただいたことはなかったので、とても参考になりました。

UXから「生きたUX」へ

「ペルちゃん」こと大隈さんから「Act,Act, living present. (行動せよ、行動せよ、生ける現在に!)」という Henry Wadsworth Longfellow の言葉からはじまり、IDEO に学ぶ HX Prototype のお話をご紹介いただきました。そして「アウトプットのない学びは、鼻くそや~!」という彼の名言にあるとおり、このセッションでは課題をもとに実際にアウトプットをするグループワークショップを実施しました。

HX Prototype」とは、ヒューマンエクスペリエンス (人間体験) +プロトタイプ (試し、簡単な失敗) のワークショップだそうで、以下のお題をいただきました。

  • セブンイレブンのロゴを書いてください。
  • 来年、UX Tokyo として発信したいコトを書いてください。

ロゴはさすがに細部を覚えていなかったです。こんなに (なぞ) 見ているのに、人間の意識はまったくアテにならないことを痛感しました。

次は、来年自分が UX Tokyo で世界に向けて発信するとしたら何を発信するか、というテーマで各自で書いてまとめるワークをしました。自分が書いたものには、「日本文化」や「機械に負けない人間力」そして「デザイナーの向上」や「スキルアップ」などを書いたと思います。グループには、ゲーム開発に携わっている方から猫好きな方など、さまざまな意見が飛び交いました。最後にグループでは、そうしたさまざまな接点を持てる会にできるといいのでは、ということで「YATAI (屋台)」というのを発案しました。

今回このイベントに参加したのは、あくまで「UX」に引っかかる人たちなので、異業種や他業種、それこそ一般の人にも参加できる会にできるといいと考えました。そしてこのセッションにもあったように、参加する人が皆その場でアウトプットできる場としてグループごとに屋台を持ち、即席UXデザインではないですが、Fabcafe 屋台っぽいのがあると面白いという話に行き着きました。

思いのほか発熱したワークショップだったので、時間も押してしまい、ほかのグループの発表を聞けなかったのが本当に残念でした。

ほかのセッション

Empathy in UX Design

グリーの村越さんと元ロフトワークの水野さんで、モデレーターがコンセントの坂田くんというよく顔を合わせる方々のセッション。内容は聞けなかったのですが、各人の経験から実践に近い話をされたのではないかと思います。

Experience Design Out of Screen:これからのエクスペリンスデザイナーの生きる道

今年、会社を立ち上げたアトモスの児玉さんのセッション。IoT などプロダクトデザインのほうにも携わっていて、さまざまなことにチャレンジしている児玉さんとは懇親会でいろいろとお話できました。セッション中にライトニングトークも実施されたようで、村越さんも参加されたようです。

UX戦略を考えるための本質的ユーザー理解

インフォバーン井登さんのセッションは、ペルソナ開発について深堀りしたお話だったようで、こちらも聞きたかったセッションだっただけに聞けなかったのは本当に残念でした。そして懇親会でははじめてご挨拶することができ、同じ関西出身ということで今後なにかで一緒にできればと思いました。

クロージング・キーノート

最後は、コンセントの長谷川さんから「The Nature of UX」というタイトルで「UXの本質」についてお話されました。まず「UI/UX」表記は誤りである点を強調されました。

  • 「UX」を結果として捉えた場合、そのための手段として「UI」がある

電車の券売機を例に、使い方を補助するような張り紙は、UX観点で見た場合それほど気にならない、つまりUXで捉えた場合UIが及ぼす影響はそれほど大きくない点をお話されました。さらに、UX観点では目的地に向かうことであり、その手段として発券がある点をご説明いただきました。

参考書籍もいろいろとご紹介いただきました。

次に「時代が追いついた」テーマでは、米アップルの UX Architect Labo の設立背景から、米アマゾンのジェフベゾスCEOのインタビュー記事を紹介いただきました。「キンドル・ファイアがただのデバイスではなく、サービスだからです」 とCEOが言える時代。競争優位性の年表としても「製造の時代→流通の時代→情報の時代」と変わり、今は「顧客の時代」と言われているようです。

会社が失敗するのは、経営がまずかったからではなく、やるべきだと従来言われてきたことをきちんとやったからである」という従来からあるマーケティングの見直しと、グッズ・ドミナント・ロジックからサービス・ドミナント・ロジックへの変化についてもご説明いただきました。そうした時代の変化に合わせたビジネスシステムは、これまで別個に設けていたUX組織も、最近では事業にインクルードするカタチに変わってきたそうです。

  • UXデザイナが未来をつくる

このイベントの頭から参加していたことで、前田さんのオープニングキーノートの内容が再び頭に蘇りました。UIからユーザー体験、そしてビジネスモデルの変革に深く関与しているわたしたちは、これまでにない転機に差し掛かっている。そう考えれば考えるほど、長谷川さんの最後のスライド「UXデザイナが未来をつくる」は考え深いものがあります。

懇親会

その後の懇親会では、児玉さんや井登さんらと会話することができ充実した一日になりました。この写真は井登さんの「THETA」で撮影した写真です。

UX TOKYO Jam2014懇親会その2! #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

長時間でしたが、今回このイベントに参加できたことで、いろいろな方のお考えをお聞きすることができ、また自分の中での考えをめぐらす機会に出会えたことをうれしく思います。ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

参加者や登壇者のコメントやブログもご覧ください。


UX Japan Forum 2014 #uxjapan

7月20日、名古屋で「UX Japan Forum 2014」が開催されました。前日の「UX Japan Community Meeting」から連日参加することになったわけですが、急遽平野さんのディスカッションに友情出演することになり、少しだけ自分の言葉でも話すことができました。

UX Japan Forum 2014

当日は4つのセッションで構成され、丸一日「UX」について考えるイベントになりました。

UX思考

キーノートは、山崎先生 (千葉工業大学) で「UX思考 – ユーザーエクスペリエンスの視点からイノベーションを生み出す」として、IBM での事例から書籍「ビジネスモデル・イノベーション」のご紹介まで、情報量も豊富でいろいろ勉強になりました。久しぶりにツイートもしました。

  • UX思考とは、ユーザーが体験をするもの (時間軸・環境軸・人間軸) を考慮し、トータルにデザインすること。
  • イノベーションの定義とは、持続可能な新しいオファリングを生み出すこと。
  • 組織のデザインとは、利益のモデル、ネットワーク (人のつながり)、組織構造、プロセスの4つのイノベーション・タイプが含まれる。この場合のデザインとは「組織のしくみ」をデザインすることである。
  • UXの戦略とは、UXのビジョン (未来) を描いて、実現化のためのロードマップを作ること。

また、書籍やブログのご紹介もあったため、後日振り返るのにも役に立ちそうです。

全国UXコミュニティミーティングでも出た課題「共感者が広がらない」「ビジネスに繋がらない」についても、ビジョン提案型デザインのアプローチでビジネス視点を考慮し、体験デザインおよび組織デザインを進めていくことで解決できるというお話でした。

そのほか「UX戦略」や「UX戦略の前に」といったお話がありましたが、個人的には「イノベーションタイプとデザイン」の表が印象深く、取り組みについて体系的にとらえることができるのではと感じました。

ユーザエクスペリエンス・デザインの破壊と再生

2つ目のセッションは「ユーザエクスペリエンス・デザインの破壊と再生」というタイトルで、UX Tokyo でも取り組まれているお二人(坂田くん山本くん)によるセッションでした。以前からよく彼らの記事を読んだりしていたのですが、山本くんと会うのは実ははじめてで前日の全国UXコミュニティミーティングが初顔合わせでした。

まず、坂田くんのほうはコンセプト策定から関わった某案件のケーススタディをご紹介いただきました。クライアントと一緒にWebサイトを作り上げていく過程で、役割の変化やこれから求められるデザイナーのスキルについてまとめられていました。

  • ユーザー駆動のサービスデザイン (人間中心設計/サービス・システムのデザイン)
  • デザインを導く立場としてのデザイナー (構想から実行へ)
  • サービス領域の拡張 (Web以外、ビジネス機会の創出)

一方、BEENOS の戦略ディレクターでもある山本くんのほうは、UX Tokyo の3つの方針 (哲学・ビジョン/オリジナリティ/スケーラビリティ) がそのまま今度の UX Tokyo Jam 2014 のプログラム構成になっている点をご説明いただき、BEENOS で最近取り組んでいる 110 日間の起業向けプログラム EIR (Entrepreneur In Residence) についてご紹介がありました。そうした経験から今後必要なキーワードを3つご紹介されました。

  • UX方針伝播のメカニズムの埋め込み
  • スキルアップ・新人教育
  • ビジネス成功事例の創出

キーノートで山崎さんがお話された「組織のデザイン」にも繋がる内容だったため、具体的な方法や取り組みの実例として自然に聞くことができました。

クライアントの向こう側

さて、3つ目のセッションは「クライアントの向こう側 – “見えないユーザー”との付き合い方」というタイトルで、平野さんが担当されました。内容は、某航空会社のケーススタディです。他社でも採用されたパネルデザインを皮切りに、まさにクライアントと共創した実例をご紹介いただきました。

  • 縦割りだった組織を横断で取り組めるようなワークショップを実施
  • 普段気づかない問題をインタビューなどで浮き彫りにして UI の随所に反映
  • 「共有と理解」を関係者の共通認識として徹底できた

それを受けて後半は、急遽わたしも参戦してのディスカッションです。受託からの視点になってしまいますが、経験則から言えることをお話ししました。

  • UXデザインは (受託者にとって) 提案の幅を拡げる、アイデアの最大化に貢献する
  • クライアントと一緒に作ることは、はじめから想定し、フォーマット準備やファシリテーションをする必要がある
  • MVP は二度必要になる (発注者のMVPを受託者はもう一度MVPにする必要がある)

とくに、「UX」という名でさまざまなインプットが膨大に増えてしまう結果、頭デッカチにならないよう「アウトプットに責任を持つこと」が求められると思います。結果、自分の手元 (業務) に還元できるサイクルにする努力をしないといけません。

UXと教育

最後のパネルディスカッションは「UXと教育」というテーマで、山崎先生 (千葉工業大学) と安武先生 (常葉大学)、そして河口先生 (トライデントコンピュータ専門学校) がパネラーとして参加。コーディネーターを浅野先生 (HCD-Net) が担当されました。

社会人や学生に向けた教育についてお話されていましたが、印象に残ったのは「手法に偏りすぎず、何のためにしているのかを見極めて、実体験を積むようにする」ということでした。社会人にもありがちな「手法を求める」という視点ではなく「課題を見つけて経験する」という視点が大切であるということです。

  • 手法に偏りすぎても問題、手法にこだわらないアプローチを最近施行している
  • ワークショップの重要性が再認識されている
  • 情報の等価交換が大切だ
  • 中堅社員の再教育が求められている

これも全国UXコミュニティミーティングでも話があった「すぐに手法を求める」「具体的な実例を求める」という参加者の声に対して「そういうことではないのではないか?」という回答にもつながります。また、教える側・教えられる側と一方通行ではなく、情報の等価交換という点も共通した課題にあがっていました。

リアルタイムドキュメンテーション (RTD)

今回のイベントでは、随時リアルタイムドキュメンテーション (RTD) という名で、安武先生 (常葉大学) の教え子たちで模造紙にサインペンでグラフィックレコーディングをされていた点も印象深い取り組みでした。

聞き手がメモをとり、書き手が下書きなしで描いていく行程は感動です。登壇する側にとっても、こうして聞き手の頭の中を整理して教えてもらえると、どこが伝わりづらかったのかがわかり、貴重な反省材料にもなります。

リアルタイムドキュメンテーション (RTD)

ほかの参加者のコメントやブログもご覧ください。

その後の懇親会では、前日参加されていなかった方々も加わり大勢でお話することができました。名古屋以外から来られた方もいらっしゃったので、自分たちの地域の活動や取り組むうえでの課題なども直接共有することができました。

途中で退席したため、その後は存じ上げませんが (汗)、丸一日「UX」をテーマにした会ならではの参加者どうしの懇親会になったのではないでしょうか。来年は札幌開催を予定しています。

ちなみに、前日の全国UXコミュニティミーティングの様子は「UX Japan Community Meeting #1」からお読みいただけます。


UX Japan Community Meeting #1

7月19日、久しぶりに名古屋に行きました。「UX Japan Forum 2014」への参加が目的でしたが、前日にあった全国UXコミュニティミーティングにも参加してきました。

地域別に取り組んでいるUXイベントの関係者を一箇所に集める、という構想はだいぶ前からあったようですが、今回ようやく実現したということで個人的にもたいへん興味がありました。発起人は、浅野先生平野さん坂田くんの3人です。

今回のコミュニティミーティングには、全国から10地域ほどが参加し、それぞれの取り組みを紹介し課題を共有することができました。これだけの地域関係者が集まる会はなかなかできないことだと思います。

UXコミュニティメンバーのミーティング風景

そのほか、参加されなかった地域でも続々とUXコミュニティが発足しています。

  • UX Fukui (福井) 佐々木さん
  • UX Toyama (富山) 竹島さん
  • UX Kanazawa (金沢/石川) いちがみさん・谷川さん・村中さん
  • UX Sendai (仙台/宮城) ちゃちゃきさん
  • UX Nikko (日光/栃木) 坂田さん?
  • hcdvalue (東京) ほこりんさん?

同じ「UX」をテーマにしていますが、やはり地域ごとに差があることが課題に上がりました。たとえば、有料に抵抗を持つ地域と有料でも比較的すぐに集まる地域とがあります。開催頻度の違いや開催規模の違い、集客に関する課題に加えて、継続するための運営上の課題が話し合われました。

こうしたボランティア活動はボクも経験があるのでよくわかるのですが、継続するためには、発起人および中心メンバーの継続的に取り組む姿勢と情熱 (パッション) が重要だと思います。そしてその情熱を支えるバックアップ体制 (運営母体) にあると思います。コミュニティによっては少人数でしかできていないこともあるかと思いますが、継続的にするためには人が集まるキッカケを作っていく必要があるかと思います。

ただ中心メンバーが知りたいことを勉強するだけの勉強会だと継続していくのは難しいという意見がありました。コミュニティに参加する人はなにがしかの目的を持つ人ばかりではないため、「コミュニティの活性化」と「底上げ的な教育」を混合して考えないようにすることが大切です。「できない人が多い」と嘆くよりも、彼らがどういう課題を持って集まってくるのかに真摯に向き合うほうが建設的だと思うわけです。そしてそれこそがUXデザインだよね、思ったりもします。

コミュニティ活性化と質の高いナレッジシェア

人を集める (つまり集客) 目的と、質の高いナレッジシェアを目的にする場合とでは、ずいぶんと参加者に求める内容も変わってきます。ぶっちゃけ、人を集める目的であれば飲み会だけの会でもいいと思いますし、少人数であることを逆手にとって質の高いナレッジシェアを目的にすることも有効だと考えることができます。

今回のミーティングでは、地域ごとの取り組みと課題が共有できたので、今後は Facebook などでそうした課題を共有したり講師派遣などの調整ができるようなプラットフォームとしても活用できるといったことまで意見があったかと思うので、今後の取り組みに注目です。

今後、UXに限らずさまざまなテーマで人々が参加する「コミュニティの活性化」と「質の高いナレッジシェア」に微力ながら協力していこうと思いました。そういう意味でも力強いネットワークに参加できたいい会になりました。

ほかの参加者のコメントやブログもご覧ください。

その後の懇親会もおおいに盛り上がり、コンパルの「海老ふりゃーサンド」にはじまり、味付けの濃い名古屋料理を食べ残し、最後は眠れない街 (錦) に消えていきましたとさ (なぞ)。

翌日のフォーラムの様子は「UX Japan Forum 2014 #uxjapan」からお読みいただけます。


これからのコーポレートサイトのあるべき姿 #WCCstudy

先月 (6/18)、ネットイヤーとメンバーズとの合同勉強会「Web Creators Circle」を開催しました。急遽 IMJ さんも加わったため、奇跡的に競合3社が一堂に会するイベントとなりました。この会の発起人は、 メンバーズの塚本さん・高橋さんとネットイヤークラフトの松本さんとわたしとで企画しました。

WCC勉強会 (風景)

第一回目のテーマは「コーポレートサイトのあるべき姿とは」という、古くて新しいお題にしました。わたしも含めて10年以上も前からウェブサイト構築に携わっている方がいる中で、これからのウェブサイトはどうあるべきかを話し合う機会にしてみよう、ということでディスカッションテーマを決めました。

  1. コーポレートサイトの基本コンテンツメニューは決められないのか?
  2. コーポレートサイトのトップページはプロモーションの場なのか?
  3. コーポレートサイトの運用の理想のかたちは?

各グループで発表されたことは追々まとめるとして、主にわたしのグループで話していて気になったことを書いておきます。ちなみにわたしのグループには、IMJのプロデューサーやメンバーズの新卒君、ネットイヤーからは経験豊富なIAなどが加わったため、短い間でしたがかなり濃い時間になりました。

コーポレートサイトの基本メニューは決められるか?

まずコーポレートサイトの基本メニューは共通メニューなどで決めることができるか? という問いです。

全グループ共通で「決められる」と結論づけました。

まず参考にしたのは Wikipedia の「コーポレートサイト」にある内容です。ここでは「掲載すべき内容に関しての規定は存在しないが、おおむね以下の内容を含むことが多い」とあります。もちろん、企業規模や事業内容によって異なる点はあるかと思いますが、ここに書かれていることについて否定するようなことは特にありませんでした。

  • 会社概要
  • プレスリリース
  • 製品・サービス情報
  • 住所/問い合わせ先
  • 採用情報
  • IR情報
  • 新規取引情報

そもそもコーポレートサイトは必要か?

ディスカッションを進めるうちに、そもそもコーポレートサイトの必要性について議論しました。

同じような情報が他で得られるのであれば、(極論) 必要ないのではないか?

Wikipedia もそうですが、検索して見つかるのであればそれで十分だという考え方です。一般ユーザーは全く困らない。だいたい見ない。

では「なぜ必要と考えることができるのか?」という問いで考えていくと、そこには「正確さや信頼度」という尺度が意見として上げられました。同じような情報でも正確さがなければ入手されない、信頼度がなければ「ただしく情報を伝えること」にはならないということです。

WCC勉強会 (講義風景)

ターゲット別に適したアプリケーションがあればいい?

その正確さや信頼度も求められてはじめて効果を発揮することになります。

必要なメニューのうち、特定の目的/特定の利用者を想定するものが多くあるのではないか? という意見がありました。

「サービス情報」はサービス利用者と見ることができますし「投資家情報」は投資家向け、「採用情報」は学生や就職希望社向けになります。そうした特定の役割を担うタッチポイントで考えた場合、それぞれに適したアプリケーション (機能) があればいいという考え方ができます。

新卒向けに Facebook ページを持つことや新卒向け採用に特化したスマホアプリをリリースしている企業があるのもうなずけます。

ターゲット別に見るコーポレートサイトのメニュー

結局、コーポレートサイトはどうあるべきか?

共通メニューは作れそうだが、特定の目的に特化していく方向がある中で、どうあるべきかを議論しました。

コーポレートサイトとして求められるのは、それら特定の目的に特化したアプリケーションを統合する空間であればいいという考え方ができます。つまり「ポータル化ができていればいいのではないか?」という結論に近づいてきました。

2013年の米コカコーラや英バージンが、コーポレートサイトをマガジン風な情報発信メディアに変えているという流れもありますが、それらはコーポレートサイトの情報ポータルに取り組んだ結果、新たなアプリケーション(特定の目的や特定の利用者)を開発するという視点で取り組んでいるように見えます。もちろん、そのためには、そうした取り組み自体を支持する市場価値やブランド認知があってこそですし、コンテンツ発信できる体制としくみを整える必要があります。

コーポレートサイトもストックからフローへ?

コーポレートサイトのコンテンツを考えるために、「ストック」と「フロー」で考えてみました。

ストックとフローで見るトップページ

これまでは、企業情報は、そこ (コーポレートサイト) に行けば見ることができる、という考え方がありましたが、これからは、そこに行かなくても見ることができる。別の言い方をすれば、ストックされた情報にアクセスして探す行為から、フローの中から情報を取り出す行為に近づいていると言い換えることができます。

そう考えると、ディスカッションテーマにある「コーポレートサイトのトップページはプロモーションの場か?」と考えること自体、大変おかしいことを言っており、誰も見に来ない門構えを立派にすることがあたかもコーポレートサイトの役割のように聞こえてしまいます。

これからのコーポレートサイトのトップページとは、いわゆる利用者がはじめに見るランディングページを指し、そのページの構成にはプロモーションも含むさまざまな要素が、特定の目的に応じた見え方ができてはじめて成立する、というふうに考えることができます。

それらを実現するには、ユーザーの理解はもちろんですが、提示するコンテンツ自体がマイクロコンテンツ化して取り出しやすい単位(モジュール単位)であるとともに、どういう条件で誰がどのように利用されるかを考えなおす必要があります。

以上のようなことを、さまざまな立場の方とディスカッションしたことで、個人で考えているようなことを改めて深堀りし、こうして文章にすることができました。なお、参加者には Facebook グループへの招待をしており、次回を絶賛計画中です。

Web Creators Circle logo

Web Creators Circle」略して「WCC」を今後ともよろしくお願いします。

メンバーズのコーポレートサイトにあるコラム「これからのコーポレートサイトのあるべき姿とは〜メンバーズ、ネットイヤー合同勉強会を行いました」でもご紹介されています。


『モバイルIAシンキング』発売中止のお知らせとお詫び

先日発売されました書籍『モバイルIAシンキング』ですが、諸事情により発売を中止することになり、書店より回収することが決まりましたのでお知らせいたします。

また、書籍の発売と連動するイベント(東京・名古屋・大阪・福岡)についても中止が決まりましたので、重ねてお知らせいたします。

関係者のみなさまには、多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。

発売中止にともない、書籍に関連する情報については一部ご覧いただけない箇所がありますので、ご了承ください。